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クラインガルテンを始める前に知っておきたいこと3選!申込方法と必要経費と心構え

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この記事はこんな人におすすめ!
  • 広い場所で家庭菜園がしたい
  • 田舎暮らしの予行演習をしたい
  • クラインガルテン生活を始めたい

家庭菜園に慣れてきて、もう少し広い土地で家庭菜園がしたいなぁと思っていませんか?

また田舎暮らしで家庭菜園に憧れているけど、いきなり移住するのは怖いと思っていませんか?

そんなかたにはクラインガルテンがおすすめです。

そこで今回はクラインガルテンを始める前に知っておきたいこと3選を紹介いたします。

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クラインガルテンの申込方法

クラインガルテンを利用するには、運営者や地域が決めた利用規約や条例があるので、必ず守る必要があります。

クラインガルテンはあくまでも借地なので、わがままは通用しません。円滑な運営や生活を送るためには、多くの利用者や地域住民とのコミュニケーションも必要です。 なにより、みんなが秩序を守ることが田舎暮らしをエンジョイする秘訣でもあります。

クラインガルテン申込までの流れ

クラインガルテンの申込までの流れは、以下の通りです。

  1. インターネットなどで、希望地域のクラインガルテンを検索
  2. ホームページで募集要項を確認し、資料請求を行う
  3. 希望の農園を3カ所くらい選ぶ
  4. 現地見学会へ申し込む
  5. 見学会で説明をうける
  6. 利用条件(利用規定・条例)などを確認して、同意する
  7. 必要書類を受け取り、利用申請書を提出
  8. 申請書の審査が行われ、利用者が決定(農園によっては面接もあり)
  9. 利用区画の決定
  10. 利用契約を締結し、利用料金を前払いする。(支払は一括払いが一般的)

申込までの注意点

契約までの流れは簡単そうに思えますが、申し込めば必ず契約できるものでもありません。

利用者が多い場合には抽選となることがあり、多くの農園では申込の先着順ではないので注意しましょう。

ただし、農園によっては順番待ちリストに登録して、順番待ちを取り入れている農園もあります。順番待ちといっても、数年待ちの場合もあるので事前に確認しておきましょう。

出鼻をくじかれないためにも、事前調査はしっかりと行うことをおすすめします。

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クラインガルテンの必要経費

クラインガルテンを始めるときに気になるのが、利用料金と年間の費用ではないでしょうか。

イメージがわかないと思うので、「新宿に住んでいる人が笠間クラインガルテンを利用した場合」を例に、算出してみました。まとめると年間の必要経費は以下の通りです。

内容金額
クラインガルテンの利用料金40万円
水道光熱費32万円
交通費56万円
電化製品・食器類など35万円
合計163万円
クラインガルテンの必要経費(年間)

それでは、表の金額について算出根拠を詳しく解説します。

クラインガルテンの利用料金

利用料金を算出するにあたり、参考農園を2つ紹介します。

所在地茨城県笠間市
年間の利用料金419,030円(税込)(2022年4月1日現在の価格)
ラウベキッチン、風呂、トイレ、ロフト付
敷地面積1区画約300㎡(ラウベ:約37㎡、菜園:約160㎡、芝生:約100㎡)
水道光熱費実費負担
農機具の貸出無料
笠間クラインガルテン
所在地千葉県香取市
年間の利用料金424,000円(税込)(2022年4月1日現在の価格)
ラウベキッチン、風呂、トイレ
敷地面積1区画約310㎡(ラウベ:約35㎡、その他:約165㎡、菜園:約110㎡)
水道光熱費実費負担
農機具の貸出共同利用
クラインガルテン栗源

この他にも農園があるので、希望地域のクラインガルテンを探してみましょう。

上記の農園では、年間の利用料金が約40万円ほど必要になります。農園によっても、価格やサービス内容は異なりますが、利用料金だけで年間に約20万円〜約60万円程が必要になると考えておいた方がいいでしょう。

水道光熱費

水道光熱費は、月々約26,700円ほど(2023年1月~7月の全国平均)必要になります。 単純に1年間の料金を計算すると、以下の金額になります。

1年間の水道光熱費:26,700円 ✕ 12カ月 = 320,400円

この金額は、2人以上の家族が毎日使用した場合なので、週に数日の利用だと、多少金額も抑えられます。(引用サイト:総務省統計局

交通費

交通費は、新宿から笠間クラインガルテンに行くことを例にあげてみましょう。(新宿出入口~友部IC~一般道経由)

たとえば、車の燃料がガソリンの場合、約180円/L(2023年9月19日現在)で移動距離が片道120kmだったとします。また、燃費が10km/L走行できる場合、以下の燃料代が必要になります。120km(片道) ✕ 2(往復)÷ 10km(燃費)= 24L(ガソリン)
180円(1Lの燃料代)✕ 24L =4320円(1回の燃料代)

高速道路代は、片道3,960円(ETC利用の場合)で、往復すると以下の金額になります。高速道路代:3,710円 ✕ 2 = 7,420円(往復)

月4回通った場合には、以下の金額が交通費として必要になります。1回の交通費:4,320円 + 7,420円 = 11,740円
1年間の交通費:11,740円 ✕ 月4回✕12ヶ月 = 約56万円

クラインガルテンの必要経費の約1/3を交通費が占めています。

郊外に畑を借りて二拠点生活を送ることに憧れますが、実生活を圧迫する可能性もあるので十分検討しましょう。

しかし別荘を購入することを考えれば、安く田舎暮らしができることも事実です。

現在住んでいる地域とクラインガルテンの距離によっても金額は変動します。クラインガルテンの場所にこだわりがなければ、近場を探すとよいでしょう。

電化製品・食器類など

ラウベでは、家具家電などは自分で用意する必要があります。

以下に必要なものをピックアップしました。

寝具一式10,000円~15,000円
カーテン5,000円~10,000円
冷蔵庫(300L~400L)150,000円前後
洗濯機(5㎏用)30,000円~35,000円
炊飯器(3合炊き)10,000円
電子レンジ10,000円
掃除機5,000円~10,000円
テレビ25,000円~150,000円
カーペット3,000円~5,000円
ドライヤー2,000円~5,000円
食器一式10,000円~
調理器具一式10,000円~
※こたつ+布団20,000円~
※ファンヒーター20,000円~
※エアコン100,000円~
生活必需品
注意点

(※)の印がついている商品は、設置の有無と使用許可の有無を事前に確認しましょう。 火を扱う製品については、火災の原因になるため、使用許可がおりない場合があります。

上記資料の金額を合計すると、約35万円前後が必要になります。 (「※」の製品合計20万円前後が別途必要になる可能もあります。)

クラインガルテンによっては完備されている器具もあるので、何が必要なのかを確認しておきましょう。

地域によっては雪や台風など、自然災害の対策も必要になります。 そのため、別途対策費用や専用工具なども考慮しておく必要があります。

以上のように、クラインガルテンを検討されている人は、概算でもいいので、事前に計算されることをおすすめします。

農業支援と農機具が常備されている

クラインガルテンには、農機具が常備されていることが多いです。 初期費用が抑えられるのでとてもありがたいです。

クワやカマ、スコップ、運搬用の一輪車まで農機具小屋に完備されています。 また、刈払い機や耕運機、自動運搬機などもレンタルで貸してもらえる農園もあります。

地域によっては除雪機もレンタルできることがあります。 これらの機械は、素人が操作するとケガや事故を起こす危険があるので、取り扱い講習を受けることもできます。

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クラインガルテン初心者の心構え

草刈りも楽しみのひとつ

特に農業未経験の方は、夏の雑草に驚くと思います。

雑草の種類にもよりますが、上に成長する草や、横に広がっていく草があり、「1週間、来なかっただけで、こんなに成長するの?」とビックリするでしょう。

「草刈りも楽しみのひとつ」として捉えていないと、農業は続きません。

クラインガルテンは借地なので、借りた土地は自分で管理するのが基本です。 しかし、仕事や家庭の事情で農園に行くことができない場合もあるでしょう。

そんな時は、有料になりますが、代理で管理してくれる農園もあります。

草刈りや畝立て、畑づくりなどを手伝ってくれる専門家もいるので、高齢者の方や短時間で作業を終わらせたい時などに有効活用するとよいでしょう。

有機栽培を推奨する運営者が多い

多くのクラインガルテンでは、有機栽培を推奨しています。その理由は、以下の通りです。

有機栽培を推奨する理由
  • 農薬による健康被害をなくす
  • 土壌を守る

無農薬で栽培すれば、害虫の被害にあいますが、安全に食べることができます。 しかしまわりの誰かひとりでも農薬を使うと、近隣にわずかでも農薬被害が及びます。

また、契約期間が1年〜5年なので、次に利用する人が思うような作物を作れなかったり、農薬被害にあう危険もあります。

以上のことから、有機栽培を推奨している農園が多数存在します。

また、どうせ自分で野菜を育てるんだから、無農薬で育ててみたいと思う人も多いでしょう。 まわりに農薬をまき散らさないためにも、無農薬が推奨される場合が多いです。

しかし、無農薬だと、「農業初心者は、うまく育てられないのでは?」と疑問を抱くかもしれません。

でも安心してください。クラインガルテンには、農業の専門家がいるので、有機栽培の方法について詳しく丁寧に教えてくれます。

害獣対策も生活の一部と捉える

昨今のニュースを見ると、イノシシやシカ、クマ、サルなど、野山で食べるものがないので、民家の近くまで下りて農地に被害を出しています。

これは、気候変動によって野山に作物がなく、人間が生息域を拡大していることも原因のひとつです。

害獣と言っていますが、決して動物たちだけが悪いわけではありません。 可愛いからといって、餌付けすることも被害の一端でしょう。

被害が出たとしても狩猟免許を所持していなければ、むやみに殺すことや罠で捕獲もできません。 そこで「害獣は来るもの」と認識し、害獣対策を生活の一部に取り入れることが重要です。

すぐに行える対策

クラインガルテンの運営側も害獣対策として、保護柵やネットなどで対策をしているところもあります。 ただし、広い敷地のまわりを自分でやるのは大変です。

そこで、ガルテナーのみんなが、すぐに行える対策として、以下の点に注意しましょう。

害獣対策としてすぐにできること
  • 生活ごみの管理を徹底する(屋外に放置しない)
  • 害獣に餌を与えない
  • 害獣が隠れやすい草むらを作らない(背の高い雑草は早めに刈る)
  • 果樹や野菜を放置しない(食べきれなければ、ご近所に配る)

これらは簡単で、すぐにでもはじめられ、対策としての初歩的な作業です。

自分くらいいいだろうと、安易に考えず、「みんなの農園を守るんだ」という意気込みで取り組みましょう。

他のガルテナーと仲良くする

他のガルテナーと仲良くなると、同じ目的を持った仲間意識が芽生えます。 収穫祭や誕生日会、親睦会など都会ではなかなか味わえない、ご近所づきあいもできるでしょう。

ご近所づきあいに年齢は関係ありません。 老若男女、みんなが年齢や肩書などもすべて取り払って、一個人としてお付き合いをすれば、人間性も磨かれるでしょう。

現代の「速さに価値がある」という時代の流れにのって生活していると、ボーっとのんびりすることが悪のように感じます。

競争社会において、「他人をどれだけ蹴落として、競争に勝利するか」、このことばかりに人生を捧げていませんか?

これは、人間本来の生活ではないと考えます。 お互いを思いやり、助け合うからこそ、今の生活があるのではないでしょうか?

クラインガルテンは、忘れていた「助け合いの精神」を思い出す場所としても利用価値があるので、他のガルテナーと積極的に仲良くしましょう。

共益作業は積極的に参加する

クラインガルテンの規約に「クラブ内での講習会、交流会、共益作業に参加する努力をしなくてはならない」と書かれていることがあります。

これは、とても大事なことなので、忘れないでください。

農園では、年に数回、共同利用部分の清掃をガルテナーのみんなで行うことがあります。

共同利用部分の通路の草刈りにはじまり、落葉拾い、駐車場の清掃、害獣対策など作業は多岐にわたります。

ガルテナーのみんなで行う作業にこそ、クラインガルテンの意味があるのです。

みんなと交流を深め、同じ目的に向かって足並みをそろえれば、助け合いが生まれます。 都会での暮らしに疲れて、隣近所の顔や名前も知らない生活ではなく、「ありがとう」と言える生活をしましょう。

たとえば、「隣の〇〇さんは、この野菜は作っていないからお裾分けした」とします。 すると、お隣さんは「ありがとう」と感謝します。

今度はお隣さんが、「先週来られていなかったので、少しですが草抜きしておきました」と感謝の気持ちで返してくれます。 これを「わずらわしい」と思う方はクラインガルテンの利用を控えた方がいいかもしれません。

なぜなら、この精神こそがクラインガルテンを利用する意味があるからです。 クラインガルテンを利用する方は、共同作業には率先して参加し、みんなとの交流を深め、助け合いの精神をはぐくみましょう。

クラインガルテンの生活を豊かにする方法

クラインガルテンの生活を豊かにする方法として、地域住民と親密な交流を深めるやり方があります。

たとえば、信州松本の四賀クラインガルテンでは、「田舎の親戚」というシステムを取り入れています。

そもそもクラインガルテンの運営には、地域住民の協力が必要不可欠になります。 地域住民の協力とは、ボランティアで行い、農作業の協力や補助を目的としています。

そのため、地元の方も家族のような対応で、本当に親戚のように接してくれます。

田植えや稲刈り、餅つき、夏祭りなどにも参加させてくれるので、結果として地域の活性化にも一役かっています。

また、親密な関係を築くことで、将来的に移住を考えている人には、耳寄りな情報も聞くことができます。

実際に「移住を相談したところ、土地を斡旋してくれた」「今でも親戚のようなお付き合いを続けています」など、効果を発揮しています。

地域の気候風土を楽しむ

地域によっては、雪が降ることもあります。 雪が嫌な方は、候補地から外して検討してください。

雪が降ると、除雪が大変です。 玄関のドアを開けると、雪が膝くらいまで積もっていることがあり、これは毎日のように起こります。

屋根の雪下ろしや、駐車場の雪かき、路面凍結や結露対策など、考えただけでも嫌になりそうです。

しかし、考え方を変えると、都会では味わえない光景が目の前に広がっています。 せっかく積雪地域にいるのなら、雪やウィンタースポーツを楽しみましょう。

農作業はできないので、スキー場に行ったり、温泉に入ったり、冬季限定のレジャーを楽しんでください。

昔では当たり前にあった、「つらら」も温暖化や気候変動で、なかなか見る機会がないと思います。 積雪地帯は、つらいことばかりではなく、子供にとっても良い体験にもなるので、楽しんでください。

また、このような地域の人たちは、自然を相手に生活しているので、おっとりして、助け合いの精神が根付いています。

都会では味わえない、「時間の流れ」を体験できるでしょう。

まとめ:初心者には貸し農園がおすすめ

クラインガルテンを利用するには、さまざまなルールがあります。

  • ラウベや農園の利用方法
  • ガルテナーとの付き合い方
  • 地元住民との交流

これらのルールを守ってこそ、憧れた楽しい田舎暮らしが可能になります。

クラインガルテンを検討している人の中には移住を考えている人も多いのではないでしょうか。

移住については、市役所が相談窓口になりますが、マニュアルに沿った受け答えよりも、地元住民の実際の声に勝るものはありません。

そのため、クラインガルテンを利用して、積極的に地元住民と親密な関係を築ければ、さまざまな相談にも乗ってくれます。

将来的に移住を検討されている方には、積極的に地元住民と交流を深め、耳寄りな情報をゲットしましょう。