PET検査のPETの正式名称は?どんなもの?費用は?

PET検査のPETの正式名称は?どんなもの?費用は? 豆知識
PET検査のPETの正式名称は?どんなもの?費用は?

PET検査の「PET」部分は「Positron Emission Tomography」の略称で、日本語に訳すと「陽電子放出断層撮影」という意味になります。

内容として、脳などの体内部の細胞の働きを断層画像に写して、病気の根本的な原因や進行具合を正確に診断するものとなっていて、がんを発見するために有用な検査となっています。

費用は、健康保険の負担額で変わりますが、保険が適用されない場合は約10万円前後と金額に大きな差が生まれます。

今回は、正式名称やどんな検査なのかを細かくご紹介したいと思います。

健康維持の為に、知っておきたい知識であることは間違いありません。

PETの正式名称は?

PET検査の正式名称は「Positron Emission Tomography」であり、ポジトロン・エミッション・トモグラフィーと読みます。

日本語の意味合いとしては「陽電子放出断層撮影」となり、陽電子が検出されたところを断層撮影する技術方法のことを指します。

一般的に知られているCT検査やMRI検査と異なり、組織の活動状況や細胞の良性・悪性の判断を画像で表す方法で、病気の診断を行うものとなっています。

PET検査ってどんなもの?

PET検査とは、がん細胞を発見しやすくするための検査方法のことです。

がん細胞はブドウ糖を多く取り込む性質を利用し、「18F-FDG」という微量の放射性物質をブドウ糖と結合させます。

そうすることで、18F-FDGを取り込んだがん細胞は画像上で光って表示されるので、がんが見つけやすくなるのです。

この方法はメリットに、身体への負担が軽い、一回で全身を検査できるなどがありますが、中でも1cm程の小さながんでも発見可能なのはかなりのメリットでしょう。

小さながんを発見できるということは、早期発見に繋がり早いうちに治療を行うことができるということです。

しかし、良い点と相対してデメリットも存在します。

検査とは逆の結果である可能性があったり、見つかりにくいがんがあったりと何点か出てきますが、最大のデメリットは「被ばくリスク」があることです。

微量の放射性物質を含んだ18F-FDGを使用する検査方法のため、本当にわずかですが放射線を被ばくしています。

ただ、その被ばく量はほとんど身体には影響を及ぼさないレベルのため、不安になる必要はありません。

胃のX線検査の半分程度の放射線量です。

放射線を使う検査被ばく線量
胸のエックス線検査(※レントゲン検査)0.3mSv
胃のエックス線検査(※バリウムを飲む検査)4.0mSv
大地や宇宙など自然から受ける1年間の放射線2.4mSv
PET検査2.2mSv
引用元-静岡県立総合病院 のサイトより

ちなみに、PET検査だと見えない部分の撮影を補うCT検査と組み合わせた「PET-CP検査」があります。

お互いのメリットが融合しているため精度が高いうえに、検査時間の短縮も見込める有用性の高い検査なのです。

名称が違うため別の検査に見えますが、現在のPET検査はほとんどPET-CP検査のことを指しているため、意味合いとしては同じものと捉えても問題ありません。

PET検査にかかる費用

PET検査は保険が適応するかしないかで費用が大きく変わります。

◆ 保険適用時

健康保険の自己負担額分のみの費用

1割:約1万円

2割:約2万円

3割:約3万円

◆ 保険適応外時

平均で10万円前後

保険適用が許可された場合は、安く検査を受けることができますが、条件がかなり厳しいため多くの人は全額自己負担の10万円前後になるでしょう。

保険適用の対象外となる例は以下の通りです。

  • PET検査の他に、ガリウムシンチグラフィ検査を同じ月内で受けた人
  • 1ヵ月に同病名で何回か検査を受けた人
  • がん細胞が良性と悪性のどちらなのか調べたい人

PET検査の保険適用条件は、複雑で自己判断だけでは難しい部分があるため検査を予約する前に、実施している病院に直接聞いてみることをおすすめします。

PET検査は保険適用外?

PET検査は、健康と判断されている人には基本的に保険適用されません。

保険適用されるにはいくつかの条件があります。

PET検査保険適用の条件

  • 早期胃がん以外の悪性腫瘍、リンパ種:他の画像診断で病期、再発、転移診断ができない場合
  • 虚血性心疾患が原因の心不全:バイパス手術のための心筋バイアビリティ診断
  • てんかん:外科治療のための病巣診断④心サルコイドーシスの診断
  • 他の検査で判断できない虚血性心疾患

条件が細かく制定されていて分かりにくいかもしれませんが、基本的に悪性腫瘍などが判明している時点で保険適用が行われます。

PET検査にかかる時間

PET検査だけの検査時間は30~40分程かかります。

まず、検査を行う5~6時間前は何も食べてはいけません。

ここはバリウム検査など一般的な健康診断と一緒です。

そして、会場到着後すぐ検査開始というわけではなく、前準備として18F-FDGを注射で体内に入れたあと、1~2時間程度安静にする必要があります。

その後、1~2時間経過してようやく専用装置に横になり撮影が行われるのです。

そのため、全てを総合した時間は早くて約1時間30分、遅いと約2時間40分程かかることになります。

PET検査のPETの正式名称は?まとめ

今回はPET検査の正式名称や内容、費用と検査時間などをご紹介しました。

PET検査は1回で全身を調べることが可能なうえ、身体への負担が少ないため、がん検査を効率よく行える検査の一つです。

ただ、血液に得体のしれないものを投与されることは、恐怖以外の何物でもないでしょうし、その後1~2時間程度安静でいなければいけないとなると不安で仕方ないと思います。

しかし、一般的な健康診断の範囲内で確認できないような小さながん細胞が目視可能である点と、腫瘍の種類が判別できるところは非常に大きなメリットといえます。

がんは男女関係なく45歳から発症リスクが上がっていき、年齢を重ねるごとにその確率が高くなります。

PET検査で様々ながんを見つけやすくなりますが、その中に乳がん、子宮がん、卵巣がんも該当しているため、特に女性に受けてもらいたい検査となっています。

もし、少しでも自分の身体に不安を感じているのならば、一度PET検査を受けてみることをおすすめします。

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