家庭菜園に慣れてきて、もう少し広い土地で家庭菜園がしたいなぁと思っていませんか?
また田舎暮らしで家庭菜園に憧れているけど、いきなり移住するのは怖いと思っていませんか?
そんなかたにはクラインガルテンがおすすめです。
しかし田舎暮らしは都会とは違った難しさがあります。
そこで今回はクラインガルテンで憧れの週末ファーマーを成功させるためのコツ6選を紹介します。
クラインガルテンの上手な選び方
クラインガルテンを長続きさせるコツは、クラインガルテンまでの距離を毎週通える範囲にすることです。
初心者が陥りやすい失敗の原因として、「自宅と農園の距離」があげられます。
憧れのクラインガルテン生活を手に入れたのはいいのですが、毎週通い続けるのは想像以上に大変です。
クラインガルテンに通園するときに考えること
通園するには、以下の問題をクリアする必要があります。
- 通園距離
- 通園時間
- 燃料代
- 有料道路料金
- など
あまり遠方だと、上記の問題が原因で家計やご自身の体力、精神的にも苦しくなってきます。 毎週通った場合、週4回、12カ月で60回往復が必要です。
毎週通える距離がベスト
たとえば、片道250kmで往復500kmの場合、高速道路を使って、渋滞もなければ約3時間30分ほどで到着します。 年に数回の小旅行であれば、「たまに行くから」と割り切ることもできますが、毎週になると嫌になるでしょう。
念願の田舎暮らしを始めたのはいいけれど、金銭的や体力的に途中で止めるのであれば、本末転倒です。
失敗しないためには、クラインガルテンの設備や、農園、ラウベから見える風景だけを理由に、農園を決めないことです。
まずは農園の利用方法を決める
毎週通うのか?長期滞在型にするのか?どちらにするかによって通園距離が変わってきます。
毎週通う場合
毎週通う場合は、片道100km~150km程度にした方が無難でしょう。
東京であれば、茨城県南部、千葉県、山梨県、群馬県南部、栃木県南部。
大阪であれば、兵庫県、奈良県、滋賀県、京都府。
近隣の府県が該当するので、競争率も高い可能性があります。
長期滞在型で利用する
長期滞在型で利用する場合は、年に数回の通園なので、片道300㎞程度離れていても通園できるでしょう。
東京であれば、山形県や宮城県の南部から岐阜県や愛知県。
大阪であれば、長野県や山梨県から島根県や広島県、四国の愛媛県や高知県。
かなり広範囲が該当するので、多くの候補地から探せます。
このように、利用方法を先に決めることで、無理なく通える距離も自ずと見つけやすくなります。
はじめのやる気だけで遠隔地を選ばない
はじめの頃は「やる気」や「楽しみ」だけで乗り切れるので、少し遠隔地を選びがちです。 しかし、長期化すると肉体的や金銭的な問題などで通えなくなる可能性もあります。
そのため、農地を決める際には、何かを我慢したり妥協することも必要です。
通園が苦痛になっては意味がない
先程も話したように、通園は1年を通じて行うので、通園が苦痛になっては意味がありません。
自分で野菜を育てて食べる幸せを感じる
クラインガルテンのそもそもの目的は、「自分で育てた野菜を食べること」です。
そして「野菜を育てる=面倒を見る」ことは、百も承知で農園を借りると思います。 「仕事が忙しい」「今週は、仕事で疲れた」「雨が降っている」などを理由に、通園が苦痛になって途中で止めるようでは、目的を達成できません。
また、通園しない週があると、野菜の収穫時期を逃す可能性があります。せっかく、新鮮で美味しい野菜を食べようと思っても、収穫時期を逃せば、味は落ち、収穫量も減ってしまいます。
野菜は日々成長しているので、毎週通っていても、「あと一日早く来ていれば熟しすぎず、収穫できたのに」と後悔することもあるでしょう。
毎週行けないならグループで借りることも検討する
一人が無理なら、グループで借りて、交代で管理することも検討してみましょう。
家庭菜園で毎週行う仕事は収穫だけではなく、雑草の草むしりも行う必要があります。雑草の繁殖力は非常に強く、一週間放置しただけで、もとの状態に戻っていることもあるからです。
以上のことからも、最後まで通園するには、距離がとても大事であることがわかっていただけたでしょう。
クラインガルテンで収穫量を調整するのは難しい
クラインガルテンで収穫量を調整するのは非常に困難です。
同じ時期に植えた野菜は、同じタイミングで収穫時期を迎えます。 クラインガルテンの農地80平方メートルで野菜を作ると、家族だけでは食べきれないほどの収穫ができるでしょう。
そのため、収穫したあとの処理方法も考えておいたほうが良いです。
収穫量が多すぎて食べきれない
家族で全部食べるから大丈夫!と思っていても、毎日同じ野菜ばかりだとさすがに飽きてきます。 また、夫婦二人では食べる量も限られます。
食べきれない野菜を放置しておくと、そのうち傷みはじめ、食べきる事ができません。 これが、「畑の恵みを食べつくす」難しさでもあります。
しかし、野菜作りはギャンブルの要素があり、気候や天候、害虫被害などに左右されるため、最終的に収穫してみないと量がわかりません。 そのため、どうしても多めに種まきをする傾向があります。
余った野菜の対処法
では、余った野菜は廃棄するしかないのか?というと、そうでもありません。 その対処法は以下の通りです。
とは言っても売却するのはハードルが高いので、まずは自分たちだけで食べられそうな量を計画し、余ったら知り合いに配るようにしましょう。
失敗を恐れず、作りたいものを作り、喜びを得る
「行き当たりばったり、人生はギャンブルだ!」と言われる人には必要ありませんが、多くの人は「失敗=損」だと考えます。
間違いではありませんが、「失敗しなければ得られないもの」もあります。 それは、経験です。
人間は賢い生きもので、失敗した経験から多くのものを学び、次は失敗しないように工夫します。
野菜作りの失敗に起因するものは、どのようなものがあるのか以下にあげます。
災害や被害は仕方がない
とくに災害や被害に遭うと、生育や収穫量に影響がでます。
平成28年8月のニュースで「北海道に台風が上陸して大雨が降り、収穫前のじゃがいもが大打撃を受け、店頭からポテトチップスが消えた」と報じています。
このように、自然災害には農業のプロでも太刀打ちできません。
害虫や害獣も同じで、ある程度の対策を講じても、来るものは来ます。 自然災害や害虫・害獣被害を避けようとすれば、屋内栽培になるでしょう。
しかしこれでは、クラインガルテンの理念に沿った考えではありません。
有機栽培で自然と共存することの難しさを教えられますが、ここでくじけるのではなく、跳ね返す体力と精神力を持ちましょう。
災害や被害で落ち込む必要はありません
勘違いしないで欲しいのは、「体や精神を鍛えろ」と言っているのではなく、「大らかな気持ちで取り組みましょう」と言いたいのです。
都会でもそうですが、突然雨が降ったからといって、いちいち腹を立てるでしょうか? 「仕方がない」と諦めるはずです。
野菜作りも同じで、丹精込めて育てた野菜が災害や被害にあえば悔しいですが、一喜一憂せず、「仕方がない」と諦めることも必要です。
失敗を恐れずにチャレンジしましょう
大らかな気持ちで、対策も野菜づくりの楽しみと捉えることが成功させるコツです。 災害や失敗を恐れず、いろんなことにチャレンジしましょう。
「素人がはじめて作るのだから」と失敗を恐れずに、好きな野菜や興味ある野菜など、作りたいものに挑戦するのがおすすめです。
また、クラインガルテンには農業の専門家もいるので、困った時には相談すれば助けてくれます。
災害や失敗を体験しても、思い通りに収穫できたときの喜びは計り知れないものになるでしょう。
クラインガルテンの未来は本人次第
「郷に入ったら郷に従え」「長い物には巻かれろ」ということわざを知っているでしょうか?
郷に入っては郷に従えとは、 「その土地に入ったら、自分の価値観と異なっていても、その土地(集団)の風習や風俗にあった行動をとるべきである」という意味です。
また長い物には巻かれろとは、 「全く勝ち目のない強い相手には、抵抗するより諦めて従った方が良い」という意味です。
クラインガルテンを利用するなら郷に従え
クラインガルテンは、都会の人が都会に農地がないので、遠隔地で農業をするために開かれた農業施設です。 そのため、利用期間中は地域の生活に溶け込む必要があります。
「私は、自分の流儀があるから放っておいてくれ」と言われる方は利用を避けたほうがよいでしょう。
たとえば、あなたの会社や地域に、このような人が来た場合、同じ態度の新人を許せるでしょうか? 勝手なことばかりする人は相手にしないでしょう。
それと同じで、「郷に入っては郷に従え」のことわざを守ることがクラインガルテン成功のコツです。
都会と同じ暮らしをしたいなら田舎暮らしは向いていない
都会と同じように、田舎にも地域の風習や気候風土にあった習慣などがあり、価値観があります。
「俺は都会から来たんだ!」「私が住んでいる都会ではこうだった!」といくら力説して我を通しても、忌み嫌われて村八分にされるでしょう。
クラインガルテンがある場所は田舎です。 都会自慢をしたいのであれば、都会に居続けることをおすすめするとともに、田舎暮らしは向いていません。
クラインガルテンするなら長い物にもまかれた方が良い
クラインガルテンをするなら、農業をするために田舎に行くのですから「長い物には巻かれろ」のことわざも覚えておきましょう。
農業の熟練者に、農業で太刀打ちできるはずがありません。 また、その土地に長く住んでいる人だからこそわかる、気候風土に対する対策などもあるはずです。
本やインターネットで調べた知識など、地元農家の知識に比べれば足元にも及びません。 それは、寒冷地で温暖な土地の栽培方法をいくら試しても、うまくいくはずがないのと同じです。
その土地柄をうまく活用した栽培方法があり、生活の知恵があるからです。
地域を尊重し溶け込むことが大事
利用する際は、「利用してやる」ではなく、「使わせて頂きます」「私たちも一緒の仲間に入れてください」と稲穂のように頭をさげましょう。
ただし「下手にでなさい」と言っているのではありません。 あくまで対等な立場でいいのです。 都会での肩書きや上下関係は一切必要ありません。
また、田舎は閉鎖的だとも言われますが、閉鎖的なのは自分自身かもしれません。 自分自身が心を開いて、その土地に入れば相手も快く受け入れてくれるはずです。
まずは、地域の祭りごとや行事などにも参加して、地域になじむ努力をしましょう。 それこそが、自分が望んでいる田舎暮らしに近づく第一歩です。
田舎暮らしが長続きしないタイプとは?
田舎暮らしが長続きしないタイプは以下のような人です。
田舎は不便であることを認識する
田舎に憧れを抱くことは素晴らしいことですが、実際には思い通りに行かないことがほとんどです。
都会の生活に慣れていると、田舎は不便なことばかりです。
都会ではスーパーやコンビニエンスストアが、数百メートルに一件はありますが、田舎は数キロメートル〜数十キロメートルに一件程度です。
不便な生活を楽しめる感覚がないと、田舎暮らしは不便で長続きしないでしょう。
自然と共に生きる覚悟が必要
夜は真っ暗で、ネオン街のような明かりはなく、街頭の明かり程度です。
また、車や電車の騒音はなく、あるのは虫やカエル、野生動物、木々が風でなびく音など、自然の音しかないので、静寂が逆に怖いと感じる人も長続きしません。
農業に失敗はつきもの
農業にパーフェクトを求める人や失敗を嫌がる人は、思い描いている通りにいかない時に挫折しがちです。
都会では自然災害も少なく、ある程度は思い通りに進むとは思いますが、田舎はそうはいきません。 田舎には自然しかなく、自然には気持ちや感情・意見が存在しないからです。
そんな自然を常に相手にするので、思い通りにいかせたい人には無理があります。 はじめの数回は我慢できても、長続きはしないでしょう。
このように、自然を楽しむことが田舎暮らしの醍醐味でもあり、難しさでもあります。 不自由や不便さを楽しめる心の余裕が、田舎暮らしには必要です。
まとめ:初心者には貸し農園がおすすめ
そこで今回はクラインガルテンで憧れの週末ファーマーを成功させるためのコツ6選を紹介しました。
成功のコツをまとめると以下の通りです。
これらのコツを理解してクラインガルテンを楽しみましょう。
クラインガルテンを検討している人の中には移住を考えている人も多いのではないでしょうか。
移住については、市役所が相談窓口になりますが、マニュアルに沿った受け答えよりも、地元住民の実際の声に勝るものはありません。
そのため、クラインガルテンを利用して、積極的に地元住民と親密な関係を築ければ、さまざまな相談にも乗ってくれます。
将来的に移住を検討されている方には、積極的に地元住民と交流を深め、耳寄りな情報をゲットしましょう。