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根に根性をつけて手間いらず!種まき・定植後1ヶ月が重要な理由とは!

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自分が育てる野菜は毎日水やりをしたり肥料を与えたりして手間をかけているのに、なぜか病気になる。

でも道端に生えている雑草は、何もしていないのに元気があって不思議に思ったことはありませんか? その違いはあなたの過保護にあるかもしれません。

過保護にすると根に根性が無くなり、軟弱な野菜になってしまっているのです。

雑草のように元気な野菜を育てるには根に根性を付ける必要があります。 「根に根性をつける」とは「根が自分の生命力だけで成長する」ことです。

そこで今回は、「根に根性をつける」メカニズムや、根性をつけると何が起こるのかを詳しく解説します。

この記事はこんな人におすすめ!
  • すぼらな家庭菜園者
  • 元気な野菜を育てたい方
  • 自然菜園に挑戦したい方
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ド根性ダイコンに学ぶ自然耕

「ド根性ダイコン」とは、アスファルトやコンクリートなどの隙間から成長したダイコンのことです。

普段このような場所でよく見かけるのは、スギナやタンポポのような雑草で、生命力が強い雑草が生えてきやすいです。 では、なぜダイコンは肥料も水も与えていないのに元気よく成長するのでしょうか?

それは、もともと野菜は草だったので、草と同じく力強い生命力を持っているからです。 植物は根から水分や養分を吸収するので、根が元気よく成長できれば肥料などはあまり必要としません。

ド根性ダイコンから学ぶことは、「根に根性をつければ野菜は元気に育つ」ということです。

思うように育っていないからと何度も追肥したり肥料を多く施したりする方がいますが、養分を必要以上に吸収すると野菜に弊害が起こります。

施肥するタイミングや量によっては、二股に割れたり肥料焼けを起こして枯れたりすることもあります。

このような失敗をしないためには、肥料に頼らず、野菜が持っているポテンシャルを引き出してやることが大切です。

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根性をつけるためには自然耕がおすすめ

野菜の根に根性をつけるための栽培方法は、自然耕が最適です。

植物は葉に光を集め、根は水と酸素を吸収して成長しますが、特に根は発芽時期から酸素が必要です。

たとえば、育苗ポットで説明すると、苗の真下ではなくポットの周辺に根が密集している状態を見たことがあるでしょう。 これはポット周辺に空気に触れる隙間があり、根が酸素を求めて成長している証拠です。

慣行栽培では、耕した時はフカフカの土壌ですが、雨が降ると土壌は固く締まります。 こうなると、水はけも悪くなって土壌は酸素不足になり、根が弱くなって地上の生育も悪くなります。

自然耕では、根穴構造や団粒構造がしっかりできているので、土壌は雨が降ってもフカフカの状態をキープしています。 そのため、水はけも良く酸素も十分に地中深くまで入り込むので、根は弱ることなく成長できます。

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キモは種まき・定植後の1カ月!

野菜は、種まきや定植後の1カ月間で根性がつきます。 根性がつくメカニズムをダイコンで紹介します。

根性がつくメカニズム(ダイコン)

  1. 発芽すると主根が水を求めて真下に伸びる
  2. 播種後15日頃には、ダイコン部分の大きさ程度まで深く根を伸ばす
  3. 根に養分を蓄えながら肥大していく
  4. 主根部分は、さらに下に根を伸ばす
  5. 播種後30日頃には、側根が肥料を求めて伸びはじめる
  6. 葉が勢いよく成長する

以上が播種後、1カ月で起こるメカニズムです。 野菜によって根の張り方や根性の素質が違うので、ダイコンと全く同じにはなりませんが、メカニズムは同じです。

また、種子はたっぷりの水を吸収すると、強制的に発芽のスイッチが入ります。 そのため、水や肥料を与え過ぎると、水よりも酸素を求めて子葉が成長してしまいます。

そうなると、根の成長が遅れて茎葉ばかり大きくなり、少しの乾燥でも根が耐えられなくなります。

また、大量の水が土壌中にあると、酸素不足になって根腐れすることもあるので、水分量には十分注意しましょう。 はじめから水や肥料などで人の手が加わると、根に根性がつかないので常に面倒をみなければいけません。

自然菜園の野菜は根が優先-大器晩成型

自然菜園の栽培方法は、うねにしっかり水をまいてから1cm程度の溝を掘り、種をまきます。 そして種子の上に土を掛けて鎮圧しますが、その後は水やりもしません。

このときに、鎮圧した後に水をやったり毎日のように水やりをしたりすると、根より子葉が先に大きくなるので気を付けましょう。

何もせず放っておけば、水を含んだ土と種子が密着し、種子がゆっくりと水分を吸収して発芽のスイッチが入ります。 スイッチが入れば自然菜園の場合は根の成長が優先されるので、根を伸ばしてから子葉が発芽します。

その後も基本的には水やりはしないため、根は水を求めて下や横にグングン伸びていきます。

本葉が数枚出る頃には側根が伸び、肥料分を求めてしっかりした根を張ります。

はじめの1カ月ほどは、地上部の生育が遅いように感じますが、その間は根が根性をつけて成長している期間なのでじっくり待ちましょう。

1カ月を過ぎた頃には根をしっかり張っているので、地上部の成長は勢いを増して大きくなります。

さらに、根に根性がついているので、最後までバテることなく丈夫な野菜が育てられます。

このことから、自然菜園は大器晩成型と言えるでしょう。

自然菜園と慣行栽培の生育についての特徴は以下の通りです。

自然菜園の場合

  • 生育 :地上部の初期育成は遅いが、後半まで樹勢が持続する
  • 水やり:不要(干ばつ時のみ)
  • 肥料 :部分的・少ない
  • 土  :表層部がやや固い
  • 病害虫:発生しにくい
  • 根張り:強い
  • 雑草 :生やす
  • 管理 :自然耕、草マルチ

慣行栽培の場合

  • 生育 :初期育成は早いが途中でバテやすい
  • 水やり:必要
  • 肥料 :全面的・多い
  • 土  :初期は柔らかいがだんだん固くなる
  • 病害虫:発生しやすい
  • 根張り:弱い
  • 草  :除草する
  • 管理 :耕す、中耕除草、土寄せ、堆肥、ポリマルチ

根と茎葉は相互依存的な関係

根と茎葉は密接な関係にあり、葉を見れば根の状態がわかります。

葉が元気よく成長していれば、根も同じように元気に成長しています。 また、葉と根の形状は似ています。

例えば、トウモロコシの場合、地上に1m以上まっすぐ伸びますが、根も同じように地中に1m以上まっすぐ伸びます。 カボチャの場合、地表面にツルを伸ばして実をつけますが、葉は大きく草を抑制して、根は表層付近に張り巡らされています。

このように根の形状を知ることで、茎葉の状態から根をイメージできれば、次に何をすればいいかがわかるようになり、栽培もしやすくなります。

根の形態タイプは4つ

野菜の根は品種や原産地によって違うので、根に根性をつけるためには根の形態を把握しておく必要があります。

根の形態は大きく分けて以下の2つです。

根の形態

  • 双子葉植物(そうしようしょくぶつ):双葉が開いて発芽する
  • 単子葉植物(たんしようしょくぶつ):1枚の針のような葉が伸びて発芽する

わかりやすく表にまとめました。

この表のように茎葉を見れば、根の形状が判断できます。

双子葉植物の根は、発芽時に伸びる主根(種子根)が太く根を張り、この主根から側根が何本も伸びる「主根型」です。

単子葉植物の根は、主根は伸びない代わりに節根がひげ状に何本も伸びる「ひげ根型」です。

それぞれ、1m以上深く根を張る「深根型」と、1m以下の「浅根型」に分類します。

深根型は主根・側根ともに深く根を張るので根性がつきやすく、浅根型は主根は伸びない代わりに横へ浅く広く根を張ります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

主根深根型-もっとも根性がつきやすい

このタイプの主根は、温度や水分の変化が少ない地下深くへ根を伸ばして行き、側根が伸びて地面に張りつくことで野菜が倒れるのを防ぎます。

また、1m以上も深く根を張るため、地表が乾燥していても地中深くから水分や養分を吸収できます。 そのため、天候の変化に左右されにくいので乾燥や温度変化に強く、水や肥料の吸収力に長けているため、根性が強い傾向にあります。

特にダイコンやニンジン、ゴボウは主根に水分や養分を蓄えるので、痩せていない限りは追肥の必要がありません。

また、主根深根型は以下の土壌を好みます。

主根深根型の好きな土壌

  • 地下水位が低い
  • 水はけが良い
  • 肥え過ぎていない

このタイプは、主根を深く張らせる必要があるため、生育初期には「水と肥料はできるだけ少なくする」ことがポイントです。 ただし、このタイプの野菜は育苗や移植を嫌う傾向にあるので注意しましょう。

育苗を行うと、主根の成長が阻害されて傷つくので、移植してもうまく成長する可能性は低くなります。

しかし例外もあり、トマトやナス、キャベツなどは根の再生力が強いので、移植することで新しい根が増えて根性も増加します。

主根浅根型-厚めの草マルチ

主根浅根型は、根を地中深くまで伸ばさないので気候の変化に影響されやすいです。 影響される要因は以下になります。

主根浅根型が影響される要因

  • 乾燥・過湿・低温・高温
  • 大雨による酸素不足

このタイプは多くの酸素を欲しがるので、水はけが悪い土壌に大雨が振ると酸素不足に陥り、根が弱くなります。

主根浅根型に根性をつけるためには、「節水と肥料を少なめにして主根を少しでも深く張らせる」ことがポイントです。

さらに、草マルチを厚めにして、乾燥や温度変化などから表層の根を守ってやることも大切です。

ひげ根浅根型-草マルチと土寄せ

ひげ根浅根型は双子葉植物と単子葉植物の2つのタイプに分けられます。

ひげ根浅根型は、雑草にも弱いので草マルチは必需品であり、早めに草マルチをして草の成長を抑制することが大切です。

双子葉植物

双子葉植物のジャガイモ・サツマイモは、原産国が乾燥地なので痩せた土壌が好きです。

また、水分や栄養の吸収力が強く、乾燥にも耐えられる根性を持っています。

しかし、イチゴの根は細くて繊細な上に根圏が狭く、水分や肥料、温度変化にも敏感に反応します。 そのため、うねを高くすることで排水を良くして、草マルチで根を守ってやる必要があります。

単子葉植物

単子葉植物のサトイモ・ショウガ・ネギ・タマネギ・ニンニク・アサツキは、細い節根がいくつも伸びてきますが、乾燥や過湿に弱い野菜です。

そのため、草マルチで地表を覆って対策を行います。

サトイモとショウガは土寄せと厚めの草マルチで根を守り、乾燥時には水やりをしましょう。 結球するタマネギやニンニクは、水と肥料が不足すると結球が大きく成長しない傾向にあります。

そのため、定植時には米ぬかと油かすを半量ずつ混合したものをまいてから、草マルチをすると生育が良くなります。

ひげ根深根型-もっとも根性が強い

ひげ根深根型は、節根がまっすぐ深くまで張るので雑草にも強く、草マルチをあまり必要としません。

まとめ

今回は、「根に根性をつける」メカニズムや、根性をつけると何が起こるのかを詳しく解説してきました。

根に根性を付けるには過保護にしすぎないことがポイントです。

根の形態タイプに合わせて育てれば、今までより管理が楽になり、しかも丈夫な野菜が育ちます。 自然菜園を身に付けていきましょう。