普段電車を利用する人は、どれほどいるでしょうか?
特に都市部では、車よりも電車の方が便利なことも多く、
日常的に通勤・通学で利用する人も多いことでしょう。
例に漏れなく私自身も、通勤で電車をよく使う一人です。
さて電車といえば、パッと多くの人がイメージするのがJRでは無いでしょうか?
もちろん普段あなたが利用する電車によっては、
地下鉄や私鉄などを思い浮かべる場合もあるでしょう。
そのJRですが、「正式名称は?」と聞かれた時、あなたは応えられるでしょうか?
私は子供にどういう意味か聞かれた時、答えられませんでした。
子供は何にでも疑問を持ったりします。
今回のJRの正式名称は、一般常識として知っておいても損はありません。
名称や由来をまとめてみたので、みなさんの参考になればと思います。
JRの正式名称は?

JRの正式名称は?
JRの正式名称は日本旅客鉄道(Japan Railway)と言います。
JRは地域毎にグループがあるので、北から以下のように会社が存在します。
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- 東日本客鉄道(JR東日本)
- 東海旅客鉄道(JR東海)
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 四国旅客鉄道(JR四国)
- 九州旅客鉄道(JR九州)
- 日本貨物鉄道(JR貨物)
東日本は東北・関東・甲信越、
西日本は北陸・関西・中国・北九州とかなり広い地域を管轄しています。
またそれぞれのJRグループで、コーポレートカラーも異なります。
JR北海道は萌黄、JR東日本は緑、JR東海は橙、JR西日本は青、JR四国は水色、JR九州は赤、JR貨物はコンテナブルーと決められています。
JRの名前の由来

JRの由来は?
元々国で管理していた時の名称が日本国有鉄道(国鉄)という名称でした。
英語名称である「Japanese National Railways」から「国有の」を表す文字「National」を除いた「Japan Raikways」略して「JR」と名づけられました。
またJRという呼称は決まっていたものの、ロゴマークには「JR」意外にも候補があったようで、その際に上がっていた案には「NR(Nippon Railways)」が候補に上がっていた様です。
実際にロゴマークのデザインに当たった、デザイナー山本洋司氏のデザインラフが残されています。
このほかにもロゴマークには、JRグループの貨物を除く、6社をイメージした6本の鉄道をイメージ指せるようなデザインなども候補には上がっていました。
今となっては「日本」と名の付く企業の多くは「J」や「Japan」をこぞって使用した社名が用いられています。
特にJR同様に民営化の影響を受けて設立された「JT(日本たばこ産業)」、「JP(日本郵政)」などは、「NR(Nippon Railways)」に決まっていたら、今とは違う名称になっていたかもしれません。
名称変更に関わるこうしたエピソードには、「JR」スムーズに定着させたいという色んな人の想いを強く感じます。
それにこたえるようにロゴデザインについても当初100案以上のデザイン集まったようです。
当時、国鉄の総裁であった杉浦喬也氏は、絞りに絞り込んだ3案を3日間の熟考を経て今のデザインに決めた様です。
1987年3月31日の終電後から翌日4月1日の始発までの間に、全国約1万輛の電車に職員の手によって「JRマーク」が一斉に貼り付けされました。

たった一晩で1万輛ってとてつもない事だよね。
JRと名付けられた経緯

JRと名付けられた経緯
国鉄を民営化する際には、地域に根ざした経営ができるように分割民営化されました。
またその際には、単純に地域で分けるのではなく、線路1つをできるだけ1社で管轄し、列車数や旅客数ができるだけ少ない場所で区切るように考慮されました。
西日本が九州の北九州を管轄していたり、北陸の一部のみ管轄になっているのも上記のような理由があったからだと予想されます。
またそうした経緯で6つに会社を分割したわけですが、それぞれの会社が一つのグループである事が一目で分かるように各会社の頭に「JR」をつけることになりました。
分割民営化の各社名が「JR○○」であることで、「国鉄」が「JR」になったんだろいう知名度アップに一役かったことは言うまでもありません。
JRの歴史

JRの歴史
JRは元々は「日本国有鉄道(にほんこくゆうてつどう)」という、日本の国有鉄道を運営する公共企業体でした。
日本政府が経営に必要な経費を全額出資する公社でした。
いわゆる「三公社五現業(さんこうしゃごげんぎょう)」の一つで、残りの三公社としては、「日本専売公社(現在のJT,塩事業センター)」「日本電信公社(現在のNTTグループ)」があります。
昭和24年(1949年)に国から、公共事業を引き継ぐ外角団体として発足しました。
昭和62年(1987年)に国鉄分割民営化に伴って、事業を現在のJRグループに引き継がれることになりました。
平成13年(2001年)6月27日にJR会社法の改正に伴ってJR東日本、JR東海、JR西日本がJR会社法の対象から外れたことにより、その3社は純粋民間会社化になることができました。
一般企業になった3社の株式は民間への売却が行われました。
平成14年(2002年)にJR東日本、平成16年(2004年)JR西日本、平成18年(2006年)JR東海の株式の売却完了したことにより、完全に民営化を果たしました。
平成27年(2015年)に再度JR会社法が改正され、翌年の平成28年(2016年)にJR九州がJR会社法の対象から外れることになりました。
三島と呼ばれるJR北海道、JR四国、JR九州、JR貨物は経営が厳しい路線の為、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道運輸機構)が全株を所持している「特殊会社」です。
その三島で特殊会社から完全に民営化できたのはJR九州が初めてとなりました。
現在まだ残りのJR北海道・四国・貨物は経営が厳しい状態のため、完全な民営化への道もまた険しい道のりとなっています。
JRには正式名称がある!?まとめ

JRの正式名称まとめ
私たちの生活に当たり前の様に存在している電車ですが、すでに生まれた時からJRだったという方ももう多いのではないでしょうか?
意外と経緯など詳しく知らなかったという方も多くいらっしゃいます。
今では6つ存在するJRの会社が元々は一つだったとは驚きですね。
私の祖母や祖父は、今でもJRのことを「国鉄」と呼んでいます。
国鉄時代から人々の生活に必要不可欠で愛されていたからこそ、今でも「国鉄」と呼び親しまれているのかもしれませんね。
企業の名称変更、それも国の事業ともなれば関係者もかなりの時間悩み、会議が行われたのだろうと予想できますね。
知らない方には「JR」のヒミツを是非教えてあげてください。