プランターで家庭菜園を始めたけれど、もう少し広い土地で家庭菜園がしたいなぁと思っていませんか?
でも私たち一般人が畑のためにわざわざ土地を買うのは難しいですよね。
そこでおすすめなのが、畑のレンタルです。月1,000円くらいから始められるので、土地がなくても気軽に家庭菜園が始められます。
しかし、畑のレンタルにもいろいろな種類があり、自分のライフスタイルに合った畑を借りないと、面倒臭くなり長続きしません。
そのため、自分に合った畑がどのようなタイプなのかを知るのがとても重要です。
そこで今回は、レンタル畑の種類を4つに分けて紹介し、その違いとおすすめの人について紹介します。
市民農園と貸し農園と体験農園とクラインガルテンとは
畑を借りるとなったら、貸してくれる畑を探さなければいけません。しかし、一口に畑を借りるといっても、実はたくさんの種類があるんです。 ここではたくさんある種類の中でもよく利用されている以下の4種類について紹介します。
市民農園は中級者向き
市民農園は、おもに市区町村が主体となって運営し、市区町村の住民向けに畑を提供している畑のことです。
市区町村役場のホームページを覗くと市民農園の一覧が紹介されている場合があります。ただし、市区町村によっては、市民農園を実施していないところもあります。
多くの市民に利用してもらいたいので、料金が安く設定されていることが多いです。また、その市区町村に住んでいる人しか利用できない場合があります。
レンタル期間は1年のことが多く、毎年抽選の市民農園もあります。
道具や苗は各自で用意し、サポートも期待できないので、家庭菜園中級者向きのサービスといえます。
貸し農園は初心者向き
貸し農園は、おもに民間の会社が主体となって運営するレンタル畑です。
民間が運営するため市民農園より価格がお高めですが、その分サービスが充実していることが多いです。
例えば農機具を無料でレンタルしていたり、アドバイザーが野菜作りを丁寧に教えてくれたりします。
そのため、家庭菜園初心者向きのサービスと言えます。
また、毎年同じ場所を使えるのも嬉しい特徴です。土作りには何年という月日が必要になりますが、同じ場所が使えることで土作りの効果を実感できます。
貸し農園では菜園アドバイザーが教えてくれる【シェア畑】が有名です。
体験農園とは
体験農園は、基本的に農家さんが野菜の栽培を行い、その一部を体験する農園です。
例えば栽培は農家さんに任せて、収穫だけを手伝うことができるので、手軽に成功体験を味わえます。
農家さんから専門的な知識を教わることもできますし、農作業のお試しが気軽にできるので、一から栽培する自信がない家庭菜園初心者にももってこいのサービスです。
農業体験以外にも、販売会や講演会など様々なイベントで参加者を楽しませてくれます。
最も気軽に農業体験ができることから、市民農園や貸し農園を利用する前のお試しとして利用すると良いでしょう。
クラインガルテンとは
クラインガルテンとはドイツ語で市民農園のことですが、日本では一般的に「滞在型の市民農園」を指します。
つまり、市民農園の他に簡易的な宿泊施設がついており、別荘感覚で農作業を楽しめます。そのため、将来田舎暮らしをしたい方などにおすすめの施設です。
まだまだ数は少ないですが、宿泊施設が付いているので、近場にこだわる必要がありません。週末に別荘感覚で宿泊するのも良いでしょう。
市民農園と貸し農園の違い
体験農園はほとんどの農作業を農家さんに任せられる。クラインガルテンは宿泊ができる。という点で市民農園と貸し農園とははっきりとした違いがあります。
しかし、市民農園と貸し農園の違いはあいまいです。そこで、市民農園と貸し農園の違いを詳しく解説します。貸し農園の場合は、基本的に農具の貸し出しがあり指導員が常駐しています。市民農園は基本的に指導員は不在です。一方、体験農園は畑の管理者が全てを準備するため特に支援はあります。
利用料金の違い
利用料金は市民農園の方が圧倒的に安いです。
貸し農園が月10,000円程度なのに対し、市民農園は月1,000円程度で借りられるのも珍しくありません。その差約10倍です。
また、貸し農園は初期費用も10,000円程度かかることがあるので、さらに差が開きます。
そのため、利用料金だけを見ると市民農園に魅力を感じます。
利用のしやすさ
利用料金の安い市民農園ですが、鍬や鎌などの農具を自分で揃えなければいけないので、初期費用がかかります。また、道具を畑に置いておけない場合には毎回持ち運ぶ必要があるため、自動車での移動が必要になります。
しかし、駐車場が狭い市民農園も多く、時間帯によっては駐車場がいっぱいになることもしばしば。
市民農園と比べて、貸し農園は道具が一式揃っているので、自分でそろえる必要がありません。また持ち運ぶ必要もないので、ふらっと立ち寄って作業ができます。
そのため、仕事前や仕事後でも立ち寄ることができ、非常に利用しやすいでしょう。
畑の広さ
貸し農園と市民農園を借りる時は区画が区切られていて、その区画を借りることになります。当然複数の区画を借りれば、広くなりますが、その分お金がかかります。
貸し農園の1区画はおよそ5平米から15平米くらいです。つまり、2.5×2m~3×5mくらいが一般的な広さです。
一方市民農園の1区画はおよそ10平米から30平米くらいです。つまり、2.5×4m~5×6mくらいです。
このように市民農園の方が1区画が2倍くらい広いということになります。
たくさんの野菜を作りたい人は、広い畑を借りた方が有利です。しかし、はじめから広い畑を借りてしまうと手入れが大変で嫌になってしまう可能性があります。
そのため、初心者は貸し農園の広さでも十分と言えます。広さが足りなくなったら2区画借りたり、市民農園に移行しても良いでしょう。
ただし市民農園では、ひとり一区画までと決められていることもあるので借りる際には注意が必要です。
レンタル期間の違い
意外と見落としがちですが、畑を借りれる期間はとても重要です。
貸し農園は空きがあればいつでも始められて、1年ごとの契約更新のことが多いです。しかも、同じ場所を継続して利用できるので、土作りのし甲斐があります。
連作障害のことを考えて、作付けができるので成功する確率も上がるでしょう。
一方、市民農園は3月~2月や4月~3月の1年間が多いです。そして、毎年抽選で場所が決まるため同じ場所を利用し続けられない市民農園もあります。
毎年場所が変わるとなると、土づくりをした恩恵が受けられません。また、更新月にはすべて撤去しなければいけないので、更新月が近づくと新しい野菜は育てられなくなります。
よって、レンタル期間では貸し農園に軍配が上がります。
サポートの違い
市民農園は基本的にサポートがありません。そのため、中級者向きといえます。
一方、貸し農園はサポートしてもらえる場合が多いです。
管理人やアドバイザーが常駐していることも多く、野菜の育て方や病気の予防、治し方などなんでも教えてもらえます。
また、講習会に参加できたりテキストをもらえたりするので、勉強できる環境が整っています。
さらに、前の人が何を作っていたのかも教えてくれるので、連作障害が避けられます。何を育てたら良いかもアドバイスしてもらえますし、種や苗を用意してもらえる貸し農園もあります。
設備の違い
市民農園は基本的に設備はありません。
一方貸し農園は、トイレやゴミ捨て場、休憩スペースが備え付けられていることが多いです。中にはBBQ場や宿泊施設が備わっている農園もあります。
交通手段によって、駐車場や駐輪場の有無も確認しましょう。貸し農園は基本的にどちらもあることが多いですが、市民農園は路上駐車になることが多いです。
農薬の違い
市民農園は市販品の農薬なら使ってもOKなことが多いです。
自分が使えるということは、隣の区画でも使っている可能性があります。無農薬で育てたいと思っても、周りから農薬が飛んでくるので、無農薬栽培をするのは不可能になります。
一方貸し農園は、化学農薬を使えないことが多いです。天然由来の物を使いましょう。
申し込み方法の違い
市民農園は市民の利用が前提となっており、他の市区町村に住んでいると借りられない場合があります。
申し込みは役場だったり、農家さんに直接問い合わせたりすることが多いです。まだまだインターネットが普及しているとは言えず、電話や訪問での申し込みになります。
一方貸し農園は民間企業がやっていることもあり、申し込みがスムーズです。利用条件もありません。
どんな人に向いている?
最後に、市民農園・貸し農園・体験農園・クラインガルテンがどのような人に向いているかを紹介します。
市民農園が向いている人
思い通りに家庭菜園をしたい人
市民農園は自分の思い通りに家庭菜園をしたい人におすすめです。
好きな種や苗を植えて、自分好みの道具を揃え、栽培方法を自分で調べて、結果が出たら喜び、失敗したら何が悪かったのか原因を考えます。
安い料金で広い畑を借りたい人
市民農園は、安い料金で広い畑を借りたい人にも向いています。 サポートがない分、料金が低く設定されているからです。
初心者には意外と大変
サポートがないので経験が少ない初心者には、調べることが多く結構大変です。せっかく始めた家庭菜園なのに、調べ物が苦痛になってしまっては本末転倒です。
そのため経験がない場合には、ある程度時間に余裕があり、自分で調べることが苦ではない人が向いています。
貸し農園が向いている人
家庭菜園初心者
貸し農園は、家庭菜園初心者におすすめです。
わからないことがあってもスタッフの方が丁寧に教えてくれます。そのため、家庭菜園の成功体験を短期間で味わうことができ、モチベーションが上がるでしょう。
何から始めたら良いのかわからない人でも気軽に始められるのが貸し農園のメリットです。
会社勤めの人
普段は忙しくて週末しか時間が取れない人にもおすすめです。
一人で栽培しようとすると、わからないことがあった時に自分で調べなければいけません。
また、急な出勤などで数週間畑に行けなくなっても、スタッフに連絡をすれば、簡単な作業を代行してくれるところもあります。
初期費用を抑えたい人
貸し農園の場合、野菜の種や、肥料、農機具などが一通り揃っています。
高額になりがちが道具を自分で揃えなくても良いので、初期費用を抑えられます。どのような道具が必要なのかわかってから、自分好みの道具を揃えれば良いのです。
気軽に家庭菜園を楽しみたい人
貸し農園には休憩スペースやトイレなどが完備されている場合があります。そのため、家族連れでも利用しやすく、レジャー感覚で家庭菜園を楽しむことができるでしょう。
体験農園が向いている人
簡単に農作業を体験したい
体験農園のメリットは、面倒なことをせずに収穫などのおいしいとこだけを体験できるところです。
それで興味が湧いたら、貸し農園にステップアップすれば良いでしょう。
毎週は農作業できない人
体験農園は基本的に農家の方が管理をするので、常に農作業をする必要はありません。やりたいときだけ、農作業できるのが体験農園の良いところです。
イベント目的
体験農園は、農作業以外にも、「収穫祭」「種や苗植え会」「野菜の販売会」「講習会」「BBQ」などのイベントが用意されている場合があります。
特に小さいお子さんがいるご家庭では、良い思い出になるのではないでしょうか。
クラインガルテンが向いている人
田舎暮らしに興味があり、移住を考えている人
クラインガルテンには宿泊施設があるため、長期滞在も可能です。田舎暮らしに興味がある人や移住を考えている人には、疑似体験ができる貴重な場所です。
時間に余裕がある人
クラインガルテンは宿泊ができるので、時間に余裕がありゆったりと農作業をしたい人にピッタリです。
農作業に没頭すれば、日々の喧騒を忘れさせてくれることでしょう。
ただ、田舎に設置されていることが多いので、移動時間がかかりますので、時間がない人には向かないかもしれません。
お金に余裕がある人
クラインガルテンは宿泊施設を伴うので、農園だけを借りるのに比べて料金は高めです。
ただし、数十万円で借りれるので、別荘を借りると考えると安いかもしれません。
まとめ:初心者には貸し農園がおすすめ
今回は、市民農園、貸し農園、体験農園、クラインガルテンの違いについて紹介してきました。
この中で初心者におすすめなのは、やはり
貸し農園
です。手厚いサポートと手軽さが最大の魅力です。
数年間実績を積んで知識を得たら、市民農園にチャレンジしてみても良いと思います。ただし、抽選に外れることもあるので、貸し農園も引き続き契約しておくことをおすすめします。
もし、貸し農園を試してみたい方は、全国で70農園展開中の【シェア畑】がおすすめです。
手厚いサポートが売りで、最近ではテレビやメディアでも取り上げられています。