さび落としやさび止めなど、DIYや日々のちょっとした金属の滑りをよくすることで有名な、クレ556ですが、実は錆は溶かせず、使えない金属部分があることをご存じだったでしょうか。
用途を間違えると故障や事故の原因となってしまいます。
クレ556を使ってはいけない箇所としては「鍵穴」が重大な故障の原因となりますので注意してください。
今回は、クレ556の使える場所や鍵穴以外で使ってはいけない場所、使えない場所に対してはどのようにすれば良いかについて紹介します。
クレ556とはそもそも?
クレ556の製品概要としては、「サビを取り、キシミをおさえ、動きをよくする、工具箱の必需品」と公式HPには記載があります。
用途としては金属部分の防錆・潤滑・洗浄・防湿です。
その一方で、クレ556を使って余計に悪化したといった口コミや、一時しのぎ、バイクのチェーンが錆びたといった評判もあります。
クレ556は自転車のチェーンだと乾燥してすぐ錆びるし、バイクのチェーンだと最悪油切れでチェーンが切れて大ケガする。
— いさりび (@Isaribi) December 21, 2016
クレ556のメインの働きは「潤滑」です。
油をさすことで金属同士の接点をスムーズにして動きをよくするものです。
そのため、錆を止めるという働きではないというところが多くの誤解の発端です。
クレ556を使ってはいけない部分
複雑な構造の箇所や、負荷が高い場所に対しては使わないほうが良い場合がほとんどです。
どんな場所でも使えそうなイメージですが、使ってはいけない代表的な部分は下記のものです。
- 鍵穴
- オートバイのチェーン
- 金属塗装面
絶対使ってはいけない部分『鍵穴』
一番使えそうな気がしますが、逆に「絶対使ってはいけない場所」です。
鍵穴は長年使っていると回りが悪くなり、なかなか開錠ができずストレスがたまる場所です。
そこへクレ556をシュッとかければ回転が良くなり、快適になる…予定ですが、絶対に使ってはいけません。
鍵穴にクレ556をかけると、潤滑油の効果で一時的に鍵が回しやすくなりますが、クレ556に含まれる油が周囲のホコリを吸着して、時間の経過と共にヘドロのように固まってしまいます。
このヘドロが鍵の動きをさらに悪くして、最後は鍵が回らなくなってしまいます。
絶対に使ってはいけない部分『オートバイのチェーン』
チェーンの部分は汚れを防いでくれるため、一見良さそうに思えますが、オートバイのチェーン部分は高い負荷がかかるため、サラッとしているクレ556では耐えきれないようです。
バイクのチェーンにはバイクに適した潤滑剤がありますので、そちらを使ってください。
状況によって異なりますが、クレ556を塗布してから数日から数週間で鍵が回らなくなってしまいます。
絶対に使ってはいけない部分『金属塗装面』
金属部分は、どこでも使えるものと思っていましたので意外な場所です。
金属塗装面は例えば、バイクの本体部分や、自転車のハンドル下と本体の接合部分といった場所です。
ここは、上記2つのように使ったからと言って、何か機能面での不具合が起こるわけではありませんが、溶剤を使っているため塗料がはがれる、色が変わるといった事が起きます。
他にも、液がしみ込んでしまう素材のものや、内部にゴムや樹脂成分のものがある箇所、揮発成分の臭いが気になる室内などのでも使うことができません。
クレ556の正しい使い方
思っていたよりも使えない可能性がある、クレ556ですが、正しい使い方とはどのようなものでしょうか。
基本的に使える用途はこれです。
- 錆びて固まったネジを外す
- 金属のさびを落とす
クレ556は、潤滑効果で金属表面に被膜を作り、動きをスムーズにするものです。
負荷の小さい金属や固くなってしまった金属には効果を発揮します。
使い方は、対象の金属にシュッと吹きかけるだけの簡単な使い方です。
鍵でも自転車の鍵といった簡易な構造には効果を発揮します。
自転車では鍵穴部分以外に車輪に円形の金属を通して施錠するものがあります。
このタイプは、使っているうちにだんだんスムーズに施錠ができなくなってしまいます。
そういった時に鍵穴ではなく、円形の金属部分にクレ5-56を使用すると潤滑成分が浸透し、スムーズに施錠ができるようになります。
他にも、錆びて固くなってしまったナットに対しても、ナット部分に吹きかけることで、吹きかける前の約40%程度の力でナットを回すことができた実験もあります。
錆を落とす際には、吹きかけたあとにブラシでこする必要がありますが、クレ556なしではどれだけ擦っても落ちなかった錆びが落ちます。
家庭の中では網戸の滑りをよくすることができます。
雨や風、ホコリといったもので滑りが悪くなってしまう網戸ですが、クレ556を吹きかけると簡単に動かすことができるようになります。
雨に頻繁に当たる網戸では、頻回に吹きかけなければいけませんが、劇的に改善します。
屋外で使う場合には「スーパー556」という効果を高めた商品もあります。
クレ556が使えない部分はどうする?
DIYや事務ではなく、家庭用として使う場合は、クレ556ではなく、同じシリーズのシリコンスプレーがおすすめです。
シリコンスプレーは、素材に浸透することなく被膜を作ることができるため、クレ556では使えなかったゴム・プラスチック、木、紙など様々な素材に使えます。
家庭の中で吹きかけ、周囲へ飛んで行ったとしても他の素材が痛みにくいです。
上記で紹介したクレ556が使えない箇所に対しては、それぞれ専用の潤滑剤を使用してください。
オートバイのチェーンのように高負荷の箇所では、その負荷に合わせた潤滑剤が必要となりますので、高粘度のグリースを使うことをおススメします。
鍵穴には、速乾性でべた付かず、ホコリもつかない「ドライファストルブ」がおすすめです。
金属塗装面では、上記のシリコンスプレーがいい場合がほとんどです。
シリコンスプレーには溶剤が入っていないため、金属塗装面でも使うことができます。
しかし、塗料の素材によってはシミになる可能性もあるため、目立たないところで試してから使用をしてください。
クレ556を使ってはいけない部分のまとめ
今回、クレ556を使ってはいけない部分いついて紹介しました。
家の中になる多くの場所に使えるとの触れ込みの商品ですが、使う部位を間違えると使う前よりももっと悪い状態となってしまうため、使う箇所の素材や形状をよく考えてから使用をしてください。
家庭で使う場合は、クレのシリコンスプレーがあれば、多くの滑りが悪くなった箇所に使用することができるようになるため、1本用意をしておくことをおススメします。