ICTと言われてどのようなことを思いますか?
名前は聞いたことがあるけれど、正直言って何のことかわからないですよね。
最近では教育においても、ICT教育というものが導入されました。
早い子では、幼稚園からICT教育に触れるようになります。
親である私たちの世代は、そもそもどんなものなのかを、しっかりと把握しておく必要があるのではないでしょうか?
今回は、そんなICT教育についてまとめてみました。
ICTとは何ですか?正式名称は?
ICTとは、「Information and Communication Technology」を省略したものです。
直訳すると、「情報と情報(など)の伝達の技術」となります。
もっと分かりやすくすると、「情報通信技術」と訳せます。
よく聞く「IT」にcommunicationのCが入ったものがICTです。
ICTとはIT(通信技術)を使って、コミュニケーションすることに重きを置いています。
つまり、ICTは情報をやり取りするという意味が加わっています。
ICTが使われているところでは、学校、高齢者のみまもり、官庁などでは利用が始まっています。
最近では、国主導で教育の場にICTを活用しようという流れがあり、2020年から小学校の必修科目になりました。
ICT教育はどんな内容?
従来は、学校へ登校し、授業を受け、生徒間のコミュニケーションが直接会うことで成り立っていました。
そこへIT(情報技術)を入れて活用していくことがICT教育です。
具体的な一例としては、生徒一人ひとりがタブレット端末などを持ち、それを利用することで、直接学校へ登校できない生徒や、海外など遠いところにいる学生同士でも、コミュニケーションをとることができるというものです。
他にも物理的な距離の遠さだけではなく、従来は紙の教科書と紙のノートを用いて、授業の板書や宿題をしていましたが、それらをICTで行うことにより教科書はデジタル化します。
ノートもタッチペンやキーボードを用いて入力する、デジタルのノートになります。
これらによって、重い教科書を持ち運ぶこともなくなります。
宿題の採点も瞬時に行われ、わからないところを後回しにしないことにより、苦手克服にすぐに取り掛かることができるようになります。
多くのものがデジタル化出来るようになって、より効率的に勉強に取り組むことができるようになるんだね。
ICT教育のメリットはこれ以外にも、音声を再生することにより、英語などの発音を覚えることもできます。
紙の教科書ではイメージしにくいものを、動画を使ってより明確に理解することができるようになります。
授業はレベル別に複数用意することができ、ネット環境を用いて繰り返し聞くことができるようになります。
これにより、一人ひとりに合わせた授業をすること可能で、授業についていけない生徒を減らすことができると期待されています。
また、今の子供たちはデジタルネイティブ世代と呼ばれ、生まれた時からITが普及していました。
今後さらに拡大していくITに、早くから慣れておくことによって、情報社会で必要な能力を早くから身に着けることができるようになります。
総務省は平成22年から、文部科学省が進めた「学びのイノベーション事業」と連携し、生徒に1人1台のタブレット端末、すべての教室に電子黒板の配置、無線LAN環境のもとで、情報通信技術面の検証を行う「フューチャースクール事業」を実施してきました。
平成26年からは3年計画で全国3地域の12校を実証校として開始しています。
全国どこの学校でも、地域格差なく最新の学習環境を享受できる仕組みや「学校と家庭がシームレスでつながる教育・学習環境」の確かな構築を目指しています。
IT化を進めることにより、地域格差がなくなる事は、子供の将来にも大きな影響を与えるのは間違いないです。
ICT教育はいつからはじまるの?
ICT教育の一つとして、小学校のプログラミングの授業の必修化が2020年より始まりました。
幼稚園では導入を進めているところもあります。
プログラミングという科目が増えるのではなく、数学や音楽、社会の授業の中でプログラミングを利用するという授業です。
将来どのような職に就くとしても、プログラミング的思考をはぐくむことが必要と考えられています。
今回のコロナ禍で、一部の学校では生徒一人一人にタブレット端末を用意し、授業を行おうという動きもありました。
また、一人ひとりに用意できなかったところも、各家庭にある端末を利用して、授業や課題を行った学校もあります。
そう考えると、否応なく、このコロナ禍はICT教育を進めるきっかけになりました。
導入の程度に差はあるとしても、ICT教育はすべての学年で始まっていると考えても良いのかもしれません。
ICT教育の不安
ICT教育が始まることで、メリットもたくさんあることがわかりましたね。
しかし、その一方で不安なこと、デメリットはあるのでしょうか。
ICTそのものへの不安と導入に際しての不安と2種類あります。
ICTそのものへの不安はつぎのようなことが挙げられます。
モニターの利用による視力低下
モニターの見過ぎで視力が悪くなったり、寝つきが悪くなる可能性があります。
利用時間、利用方法に関しても、家庭と学校でそれぞれが対応していくことが必要です。
早期のICT教育の導入で、幼稚園や小学校低学年から利用するため、目の負担が真っ先に考えられる不安要素です。
空想力や想像力への影響
動画や視覚に直接的な表現のものが多く、自由な想像力を育むことができなくなるのではという不安があります。
文字だけから得られる情報から、どのようなものか想像することは、とても大切なちからだと思います。
幼児のころから絵本の読み聞かせなども、挿絵と話から、どのようになっているか想像力を働かせて楽しむことを積極的に取り入れていますが、それが最初から動画などになってしまっていると、必要な想像力が育たないのではないかと思います。
論理的思考とは対極にあるため、ICT教育では補えない部分ではないでしょうか。
漢字が書けなくなる
私自身もそうですが、日常的にPCやタブレットを使うと、漢字が出てこないことがあります。
それは子供も同じ、変換することが習慣化すると、漢字を書けない子供が増える事が予想されます。
文字を書く機会は今の大人が子供だった頃よりも圧倒的に減ることが予想されています。
それにより、将来字が読めるけれど書けない世代が出てくるのではないでしょうか。
導入に際しては、次のようなことが考えられます。
端末の不平等
今現在、PCやタブレット端末の普及率は増えていますが、すべての世帯、子供に1台あるわけではなく、インターネットがつながっていない家庭も5%存在します。
今後は、利用環境を含めたサポートを、国がしていく必要があるでしょう。
教師の質の不平等
今後あたらしく採用される教職員については、ある程度のIT知識が求められることは間違いないでしょう。
しかし、現状すでに教職についている方の場合、ICTへの理解度に差が出る可能性があります。
ネット環境を含めた地域格差などにより、タブレットに馴染みのない地域については、講習や利用環境のサポートが必要になるでしょう。
ICT教育って何?まとめ
ICTの拡充は今後さらに加速していくでしょう。
距離を超えて、遠くの方と簡単に繋がれることにより、新しい価値観・思想と触れ合えることは素晴らしいことです。
私たちの子供世代は、幼少の頃から当たり前に触れ合える環境が整いつつあります。
今回ご紹介したICT教育では、小学校からのプログラミングの導入を皮切りに、今後教科書のデジタル化などがどんどん進んでいきます。
早くから慣れ、親も一緒に学んでいくことで、子供の成長の一助になれることを願います。
しかし導入・運用についての不安や問題点は多いです。
まだまだ議論されていないこともたくさんあると思います。
英語教育が必修になった際も、英語の前に日本語をきちんと教えたほうがいいという意見(まだ早すぎる)や、教師の英語の質が生徒の学習に影響を与えるという意見もたくさんありました。
生まれた時からITやAIなどが身近にある子供たちには、早すぎるということはないでしょう。
小さいころから慣れ親しむことによって、当たり前となり、苦手という意識もほとんど持っていないと思います。
私個人の意見としては、小学校の時に学び始めなければ、大きくなるにつれて学ぶ機会がなくなっていくのではかなとも思います。
これからはすべての世代、職種でICTは必要不可欠です。
批判ばかりでなく、柔軟性をもって対応していきたいものですね。