栄養が豊富な海藻は、近年諸外国でも注目を集めています。わかめや昆布、めかぶなど、日本人の食卓にも海藻が欠かせませんよね。
身近な食材である海藻はなんでも食べられると思いがちですが、実は知らないと危険な食べてはいけない海藻もあるのです。
また、栄養豊富がゆえに摂取上限もあり、食べすぎると危険なこともあります。
ここではそんな海藻について詳しく解説をしていきます。
食べてはいけない海藻とは?
海藻といえば、美味しくて栄養満点のイメージがありますよね。しかし、そんな海藻でも実は食べてはいけないものがあります。
知らずにそんな海藻を食べて死亡事故につながったということもあるので、注意をしなければなりません。
そんな食べてはいけない海藻ですが、以下の海藻が挙げられます。
オゴノリ
オゴノリですが、日本全国に分布をしている海藻です。
磯に行けば大抵見ることができますし、釣りをしたら針にもよく引っかかります。筆者も釣りにはよく出かけますが、オゴノリはよく見かけます。
このオゴノリですが、生で食べると酵素の働きにより、プロスタグランジンE2という毒素が発生されます。
過去には死亡例もあるので注意が必要です。
ウルシグサ
ウルシグサは、東北から北海道にかけての寒い地方に生息をしている海藻です。
このウルシグサは、体内になんと劇薬である硫酸を溜め込みます。
ウルシグサは網などにかかって陸地に上がるとすぐに死んでしまいます。
そして青緑に変色をするのですが、体内から硫酸を発生させて、他の魚までも傷つけてしまいます。
そのため漁師さんに非常に嫌われている海藻でもあります。
このように海藻の中には毒を持つものもたくさんあります。
意外と身近な海藻で死亡事故も発生しているので、安易に触らないようにしましょう。
加熱すれば問題ないの?
上記のように食べてはいけない海藻がありますが、それらは加熱をすれば問題ないのでしょうか?
結論から言えば、これは海藻によります。
例えば上記のオゴノリですが、加熱をすれば食べることができます。
オゴノリですが、実はお刺身のツマに使われている海藻です。
お刺身のツマには、赤紫の海藻が入っていることがありますが、あれはオゴノリを加熱処理して着色をしたものとなっています。
ツマで出されるオゴノリの場合は、茹でた後に石灰により毒を抜いています。
このように、正しい処理をすれば毒のある海藻でも食べることができます。
しかし、上記のウルシグサの場合は、硫酸があるのでどうしようもありません。
また、ウルシグサは陸地に上がったらすぐに死んでしまい、硫酸の刺激臭を発生させます。
そして素手で触ったらかぶれてもしまいますので、加熱をするのも大変です。
もちろん生で食べるのも無理ですのでどうしようもありません。
このように、海藻は加熱をすれば問題ないかは完全に海藻次第になります。
もし、海藻を食べるとしても、海藻の正しい処理を行なって食べるようにしてくださいね。
市販の海藻でも摂取上限を超えると危険
スーパーにいけば、わかめや昆布など馴染みの海藻がたくさん売っていますよね。
このような市販の海藻でしたら食べても安全ですし、たくさん食べたくなります。
しかし、実は市販の海藻でも摂取上限があり、食べすぎると病気を引き起こすことがあります。
詳しく解説をしていきます。
海藻には多くのヨウ素という成分が含まれています。このヨウ素はミネラルの一種であり、様々な食品に含まれています。
また薬にも使われており、うがい薬でヨウ素薬を飲んだことがある人も多いでしょう。
このヨウ素ですが、適切な量を摂ることによって以下のような体にも良い働きをしてくれます。
甲状腺ホルモンの生成
甲状腺ホルモンは、体の成長に欠かせないホルモンです。
この大切なホルモンをヨウ素は生み出してくれます。
代謝を高める
ヨウ素は、代謝を高めてエネルギーを生み出してくれます。
日々活発に活動をするためには、ヨウ素は必要になります。
もともと日本人は世界的にも見ても多く海藻を食べる国民です。
なので普段の生活をしていてヨウ素が不足することはありません。
むしろヨウ素の摂り過ぎに注意が必要となってます。
ヨウ素ですが、少ないのも良くないですが、摂り過ぎもよくないです。
ヨウ素を摂りすぎると中毒症状を起こしたり、甲状腺機能の低下があったり、甲状腺癌を引き起こす可能性があります。
ヨウ素は適量を摂るのが一番ということですね。
このように書くと海藻が怖いように感じますが、普段の生活をしていてヨウ素を摂り過ぎることはありません。
昆布で出汁を取り、わかめの味噌汁を一杯飲めば必要なヨウ素は摂取できます。
またヨウ素は体外に排出もされやすいので、普段の生活をしていれば大丈夫です。
意識的に、昆布だしにわかめの味噌汁、ひじきの煮物、めかぶ、
など海藻オンパレードの食事を毎日続けなければ問題ありませんよ。
ただ子供の場合にはヨウ素を吸収しやすくなっているので、昆布出汁の味噌汁の場合は他のおかずに海藻を使わないなどの工夫をしましょう。
勝手に海藻を獲るのは危険
海藻は普通に海で見かけますし、取ろうと思えば網や針に引っ掛けて取ることもできます。
そんな昆布やわかめでしたら家でも使えますし、取りたくなりますよね。
しかし、海藻ですが実は勝手に取るのは危険ですので止めましょう。
海藻のような定着性の水産動物は、漁業権が定められていることが多いです。
この漁業権が定められている水産資源を勝手に取ると、違法にあたり罰則があります。
わかりやすく言うと密猟です。
近年はグループ的に海藻を始め貝などの水産資源の密猟が多くなり、被害も大きくなっています。
罰則も厳しくなっており、知ってて勝手に海藻を取っていると100万円以下の罰金を支払うことになることもあります。
海の資源はみんなで守っていかなければなりません。
もし海藻を取りたいと思ったら漁業組合に確認をして、とっても大丈夫かを確かめるようにしましょう。
そして、もしダメであったら、絶対に取らないようにしてくださいね。
知らないと危険。食べてはいけない海藻まとめ
海藻は私たちの身近な食品です。
ただ、中には毒があるものもあるので、市販のもの以外を食べる際には注意をしましょう。
また、海藻に含まれているヨウ素は摂りすぎると病気を引き起こすこともあります。
しかし、これは普通の食事をしていればヨウ素は適量になるので、そこまで意識をすることはありません。
子供はヨウ素を吸収しやすいので、おかずに多少気にかけるようにしましょう。
海藻は漁業権が定められていることがあるので勝手に取ってはいけません。
ぜひ市販の海藻を美味しく食べて健康的に過ごすようにしてくださいね。