妊娠中に限らずチーズが好きな方って多いですよね?
お料理にかけたり、つけたりして食べると美味しいので、ついつい食べ過ぎちゃうことも。
私も以前からチーズが好きだったのですが、妊娠中は「チーズを食べてはいけない」と聞いていたので我慢していました。
でも食べちゃいけないのはナチュラルチーズ(非加熱)であって、プロセスチーズ(加熱)は適量であれば食べても大丈夫なんです!
ではなぜナチュラルチーズを食べるといけないのでしょうか?原因は赤ちゃんに影響を及ぼす『リステリア菌』の存在です。
今回は妊娠中にも食べられるプロセスチーズとナチュラルチーズの違い、また何で食べてはいけないと言われるのかをご紹介していきます。
もし妊娠中にナチュラルチーズを食べてしまったら?
少量であれば問題ない場合もありますが、もし体調が優れない、寒気がする、節々の痛み、発熱などがあらわれた場合は、早めにかかりつけの病院を受診しましょう。
プロセスチーズだけが、なぜ妊娠中でもOKなのか?
チーズには2種類あります。
加熱して作った『プロセスチーズ』と非加熱で作った『ナチュラルチーズ』です。
妊娠中は『プロセスチーズ』であれば食べても問題ありません。
ではなぜナチュラルチーズはダメなのか?
それは生ものに含まれる『リステリア菌』という菌が食中毒を引き起こす可能性があるためです。
非加熱のナチュラルチーズを食べると、この『リステリア菌』を加熱殺菌できずに体内に取り込んでしまうため、食中毒を起こす可能性が上がります。
ちなみに、この『リステリア菌』は胎児にまで影響するので注意が必要です。
ですからナチュラルチーズを食べてはいけない!というのが広まり、次第にチーズは食べてはいけないと言われるようになっていったのです。
最初はチーズ全般がダメなのかと思ってました💦
食中毒を引き起こすリステリア菌とは?
食中毒を引き起こす『リステリア菌』とはどんな菌でどんな症状が起きるのでしょうか?
実は『リステリア菌』とはどこにでも潜んでいるのです。
土・川・家畜・魚介類などいたる所に生息しており、生存能力も高いのが特徴です。
気温4℃以下の寒い環境でも、海の塩分濃度の約4倍の12%でも増殖できます。
これだけ適応能力が高い細菌なので、食品の製造ラインなどに入り込んでしまうと大きな影響が出ます。
感染者の発生は海外での報告が多いですが、日本でも2001年に北海道でリステリア食中毒の集団発生がありました。
どんな食材にも潜んでいるんだね…こわい
リステリア食中毒の症状や胎児への影響
リステリア食中毒という名前ではありますが、症状としては胃腸炎などよりも、インフルエンザの様な症状が多いそうです。
初期症状は39℃近い発熱、頭痛や吐き気といった症状です。
妊婦(胎児)、新生児、といった免疫力が低い人ほど重症化しやすく、重症化すると髄膜炎や敗血症、意識障害といった命を脅かす状況に陥ります。
そのため重症化した場合の致死率は20%超と高い傾向にあります。
また妊娠中に感染してしまうと、胎盤を通って胎児にまで感染してしまいます。
それにより早産や流産といった危険にされされるのです。
怖すぎるからチーズ食べなくてもいいや・・・
妊婦が重症化しやすい理由
上記にも書いてありますが、免疫力が低下しているためです。
それは赤ちゃんを異物と勘違いしないための、赤ちゃんを守る体の働きによるものです。
これにより赤ちゃんを受け入れる体になるのです。
その代わり、風邪や感染症にはかかりやすくなってしまうのです。
リステリア菌に注意が必要な食材
リステリア菌は非加熱の食材には潜んでいる可能性が高いため、厚生労働省でも注意喚起しています。
気を付けた方が良い食材の一例をご紹介
- 生ハムなどの食肉加工品
- ナチュラルチーズ
- スモークサーモン
- 肉や魚のパテ 等
日常的にスーパーに並んでいるモノが多いので、食材の調達の際は気にしてみて下さい。
厚生労働省のサイトは下記から飛べます ▼
妊娠中はカルシウム補給のためにプロセスチーズはおすすめ
妊娠中は赤ちゃんの為にも栄養はしっかりと取らないといけません。
なかでもカルシウムというのは妊婦さんは不足しがちなので、積極的にとる様にしましょう。
赤ちゃんの歯や骨の形成のために優先的にカルシウムは赤ちゃんへ運ばれます。
そのためお母さん自身のカルシウム補給が後回しになり、不足してしまうと骨粗鬆症などの危険性もあります。
またチーズのカルシウム吸収率は牛乳とほぼ同等の40%もあり、100g当たりのカルシウム含有量は牛乳の5.7倍もあります!
ですから、プロセスチーズを上手に食べながらカルシウム補給をしていく事はおすすめです。
- 妊婦さんはカルシウムが不足しがち
- チーズはカルシウムの吸収率・含有量ともの優秀
でもプロセスチーズの過剰摂取には気を付けてね
妊婦さんには確かにおすすめの食材ではあるのですが、気を付けないといけないのが、カルシウム意外に含まれる「ビタミン類」と「塩分」です。
ビタミン等はサプリメントでとられる妊婦さんも多いため、ご自分がとっているビタミンの総量を意識しながらプロセスチーズを食べるようにして下さい。
また塩分の摂り過ぎは「妊娠高血圧症候群」を誘発します。
気を付けていらっしゃる方は多いと思いますが、赤ちゃん・お母さん共に大きな負担が体にかかります。最悪の場合は流産なども考えられるので、塩分の管理はしっかりしましょう。
現在は成人の一日あたりの塩分摂取量は6.5g/日といわれています。
6Pチーズでいうと約11個分にあたります。
ここは本当に注意してね!でもそんなに6Pチーズ食べないよね…
妊娠中でも食べられるプロセスチーズの種類
ナチュラルチーズは食べない方がいい事は分かっていただけかと思います。
では食べられるプロセスチーズにはどんな種類があるのかご紹介していきます。
市販のプロセスチーズで有名なものをいくつかご紹介
- スライスチーズ
- 6Pチーズ
- ベビーチーズ
- スモークチーズ
- キャンディチーズ 等
ここに書いてある商品でも、念のため裏面の原材料表示を必ず見るようにして下さい。
しかし裏面の表示をみると紛らわしいので、ポイントを説明いたします。
原材料にはナチュラルチーズと書いてあって、名称・種類別にプロセスチーズとかいてある場合がほとんどだと思います。
この右の場合はプロセスチーズになります。左はナチュラルチーズですね。
原材料にナチュラルチーズと書いてあるので勘違いしやすいですが、プロセスチーズになります。
間違っちゃうの私だけかな💦
外食などでチーズを食べる時の注意点
外食の際は基本的にはあまり食べない事をおすすめしますが、加熱調理がしっかりされていれば問題ないでしょう。
よく見かけるチーズ入りの食べ物をいくつかピックアップしてみます。
- ハンバーガー
- リゾット
- ハンバーグ
- チーズフォンデュ
- 粉チーズ
このあたりでしょうか?
◆ ハンバーガー
まずハンバーガーですが、プロセスチーズを使っていることが多いと思いますが、よくわからない場合はお店の方に聞いてみましょう。
もしナチュラルチーズの場合は加熱が不十分だと危険です。
◆ リゾット
リゾットですが、こちらはチーズをのせてからオーブンに入れる事が多いので、食べても問題ないでしょう。念のため店員さんには加熱のタイミングを聞いておくと安心です。
◆ ハンバーグ
ハンバーグの場合はチーズが中に入っている場合は、加熱がしっかりされている場合は多いですが、上にのっている場合は注意が必要です。チーズの種類と加熱の有無を聞くようにしましょう。
◆ チーズフォンデュ
こちらはナチュラルチーズを使うことが多いですが、しっかり加熱してあるようなら問題ないとでしょう。ドロドロになっていればしっかりと火が通っているため問題ないです。これは加熱時間などを聞いておくのがいいでしょう。10分以上加熱し続けていれば75℃で1分以上が滅菌の基準です。
◆ 粉チーズ
こちらは避けるようにして下さい。原材料はナチュラルチーズです。
加熱すれば別ですが、基本は食べない様にして下さい。
この他にもデザートなどでよくでる「チーズケーキ」やお菓子類に関しても加熱をしてあるかをしっかりと確認してから食べるようにしましょう。
出来ればデザートなどはご自身で過熱したものを作った方が安心です。
チーズケーキは自作が一番!
妊婦さんは注意が必要!ナチュラルチーズの種類
日本国内においては食品の加熱義務などがしっかりしているため、海外に比べるとリステリア菌の被害というのはかなり少ないです。
ナチュラルチーズの場合でも乳等省令に基づいた殺菌条件を満たしているので、一度加熱されているものがほとんどです。
大手の雪印さんでは上記の法令をまもり加熱しているみたいです。
気を付けて欲しいのが輸入品のナチュラルチーズになります。
どういったものがナチュラルチーズに含まれるのでしょうか?
- フレッシュチーズ
- カマンベールチーズ(白カビチーズ)
- ウォッシュチーズ
- シェーブルチーズ
- ブルーチーズ(青カビチーズ)
- フロマージュチーズ
- リコッタチーズ
- チェダーチーズ
- ゴーダチーズ
- パルメザンチーズ
この辺りがナチュラルチーズと言われるものになります。
様々な種類があるので、必ず目にした事はあると思います。
国内産も含め、特に輸入品は生のまま食べない様にしましょう。
もしナチュラルチーズを妊娠中に食べてしまったら?
国内産であれば慌てる必要はないですが、もし輸入品であるならば、今通っている産婦人科への受診をおすすめします。
すぐにどうこうなる事はないと思いますが、念のため受診しましょう。
免疫力が低下していれば重症化しやすいですが、当然全く問題のない方もいます。
まずは落ち着いてどれくらいの量を食べたのか?いつ食べたのか?を整理した上で産婦人科へ向かいましょう。
ナチュラルチーズを家に置かない様にするといいよ!
余ってるチーズはパパに食べてもらっちゃおう。
プロセスチーズは妊娠中でもOK!まとめ
私も好きなチーズですが、妊娠中はグッと我慢をしていました。
よくよく調べればプロセスチーズであれば問題ないし、国内産のものであれば、ナチュラルチーズでもリステリア菌のリスクが低い事が分かりました。
チーズが好きな人はカルシウム摂取の意味でもプロセスチーズをちょっとずつ食べることをおすすめします。
それでは今回のおさらいです。
- プロセスチーズは妊娠中もOK
- ダメなのはナチュラルチーズ
- チーズはカルシウム豊富だから妊婦さんにおすすめ
- 塩分の摂り過ぎには注意
- 外食等ではチーズは控える
こんなところでしょうか?
妊娠中は不安なことがいっぱいですよね?
そんな中で食事は注意点を意識して、楽しく食べたいですね♬
素敵な食生活をおくれると嬉しいですね。