みなさんは雑草が生えてきたらどうしていますか?
ほとんどの人が除草するのではないでしょうか。しかし、その雑草を刈らずに活用して土づくりをする方法があります。
その名は自然菜園です。除草することに多くの時間を取られるのが嫌な、ずぼら菜園にとっては、最適な菜園です。
そこで今回は、自然菜園とはどのようなものかについて紹介していきます。
- 土づくりに興味がある人
- 除草が嫌で、何か良い手がないか探している人
- 自然とともに菜園作りがしたい人
自然菜園とは

雑草は抜くもの?
みなさんは雑草についてどのように思っていますか?
- 放っておくとすぐに増える
- 土に養分、水分、日光を奪う
- 野菜が雑草に負けて育ちが悪くなる
- 見つけたらすぐに抜く
このように思っている人は多いのではないでしょうか。雑草は野菜の敵として、刈られたり、抜き取られたり、耕されたりしてきました。
自然菜園ならほとんど手がかからない
自然菜園では、雑草は抜き取らずに、そのまま成長させ、ある程度大きくなったら刈って、そのまま敷いてしまいます。そうすることで、微生物や虫が増えるため、病害虫も気にならなくなります。
しかも雑草たちのおかげで、土がほどよく耕されるため、畝を耕す必要がなくなります。さらに肥料もほとんど必要なくなり、無農薬でおいしい野菜ができます。
そのため、自然菜園ではほとんど手をかけずに野菜の栽培ができるようになります。
現在の品種では完全に野生にするのは難しい
日本に古来からある在来種であれば、野生の中でも育てることができますが、そのような野菜は少ないです。野菜の大半は明治以降に海外から輸入されて来ました。
しかも、今の野菜は品種改良によって、人間の助けがないと生長できません。そのため、自然菜園でも少しの手助けが必要になります。
自然菜園のポイント10選

自然菜園は、なるべく自然の力を借りながら、少し人間が手助けする菜園です。そのため、人間が積極的に育てる慣行栽培とは違い、自然菜園ならではのやり方があります。
ここでは、自然菜園を実践するためのポイント10選を紹介します。
一度作った畝は数年間耕さない
自然菜園では基本的に畑を耕さずに、一度作った畝は何年も使いまわします。
その代わり、雑草や野菜の根が畑を耕してくれます。また、草マルチやミミズなどの土壌生物が団粒構造を作り出してくれます。
そのため、自然と野菜が育ちやすい環境を整えてくれます。
雑草は草マルチとして使う
雑草は、野菜の背丈を超えそうになったら、根元からカットします。この時、根っこは必ず残しておきましょう。
カットした草は、株元にまいて草マルチにします。草マルチの下にはいろいろな生き物や微生物の住処となるため、病害虫予防になります。
また、カットした草は再生するために、さらに根を深く張ろうとするので、深くまで耕してくれます。
イネ科やマメ科の緑肥作物を活用する
土作りのために、イネ科やマメ科の緑肥植物を育てると良いでしょう。緑肥植物は刈ったあとに草マルチとして利用します。
イネ科の緑肥植物は、根が細かく、深くまで張るので、深くまで耕してくれます。マメ科の緑肥植物は、根粒菌によって、土中の窒素分を増やしてくれます。
コンパニオンプランツを上手に使う
自然界ではたくさんの種類の植物が一緒に生え、お互いを助け合って生長していきます。そのため、野菜にもお互いに助け合える組み合わせがあります。
そのような植物をコンパニオンプランツと呼んでいます。トマトとバジルもコンパニオンプランツの例です。
育てたい野菜の近くにコンパニオンプランツを植えることで、野菜の生長が促進されます。また、病害虫の被害を和らげる効果もあります。
土作りの進捗度に合わせた野菜選び
土作りの進捗度によって、生えてくる雑草が異なり、育てやすい野菜も変わってきます。
そのため、生えている雑草を見て、最適な野菜を育てましょう。
堆肥や肥料を最小限に
有機栽培の失敗で最も多い例が、肥料のやり過ぎや未熟堆肥の使用です。自然菜園では有機栽培と同様に化学肥料を使いませんが、堆肥や有機質肥料も最小限にします。
基本的に、土作りは野菜と雑草と微生物に任せます。堆肥や有機質肥料は補助的に与える程度です。
丈夫な根を育てる
植物の生長には根の生長が欠かせません。そのため、発芽後や定植後はまず、根を優先して生長させましょう。
丈夫な根にするためには、肥料や水を最低限にすることです。
地上部の生長が遅いため心配になりますが、根が丈夫になれば、その後、丈夫に育ちます。
適期適作で無農薬栽培を実現
野菜を元気に育てるためには、なんといっても時期が大切です。最適な時期を外してしまうと生育がいまいちですし、病害虫の被害にもあいやすくなります。
適期に育てて、無農薬栽培を目指しましょう。
自分の畑に適した品種を育てる
自然菜園には野性味がある品種が適しています。
しかし、市販されている種や苗の多くは、農薬や化学肥料を使うことが前提の品種です。そのため、自然菜園では育ちにくいかもしれません。
自然菜園に適した品種にするために、自然菜園で生育の良かった苗から自家採取しましょう。3~4年、自家採取を繰り返すことで、その畑にあった品種になっていきます。
自然菜園は徐々に効果を発揮する
自然菜園は自然の力を借りるため、始めたときから結果が良くなるわけではありません。
しかし、自然菜園を続けていくことで、徐々に野菜が育ちやすい環境へと進化していきます。
進化すると、病害虫の天敵が増え、病害虫の被害が減ってきます。そして、野菜の風味が良くなります。
一朝一夕ではできない分、畑が育ってきた時の喜びはひとしおです。
まとめ
今回は、自然菜園とはどのようなものかについて紹介してきました。
具体的な内容については、各詳細ページに任せますが、自然菜園の魅力についてご理解いただけたでしょうか。
自然の力を借りて、人間は最小限の手助けをする自然菜園を実践してみてはいかがでしょうか。