みりんが家庭にない場合に使える代用品は、「日本酒+はちみつ」、「日本酒+砂糖」、「コーラ」、「梅酒+水あめ」「めんちゅ」の5種類です。
みりんに近い味わいを出せるものは清酒と糖類の組み合わせですが、手軽さの面では「コーラ」が一番となっています。
今回はみりんがない時の代わりになるものは何か?
どんな点に注意するのかをまとめました。
よければ最後まで読んでいって下さい。
みりんの種類には2種類ある。
みりんには大きく分けて「本みりん」と「みりん風調味料」の2つが存在します。
本みりんの成分はもち米・米こうじ・糖類・約13~15%ほどのアルコールで形成されている一方で、みりん風調味料はアルコールが1%以下に加え、酸味料やうま味調味料が含まれているなど、成分に大きな違いがあります。
このような特徴から、本みりんは酒類に含まれるため、店頭では高めの値段で販売されています。
一方、みりん風調味料は、作る手間がかからず大量生産が可能である上、酒税法に引っかからないため、安めの値段に設定されていますが、本みりんのような効果は期待ができません。
みりんの成分を考える
みりんは主に4つの原料で構成されています。
- 米麹
- もち米
- 糖類
- 醸造アルコール
成分のアルコール度数14度程度、塩分0%、糖分45%程度となっていて、みりんの特性である臭みを消す作用はこのアルコール成分からくるものとなっています。
このことから、戦国時代辺りで高級なお酒「密醂酒」などと呼ばれ、当時貴重であった砂糖の代替品として重宝されていました。
また、みりんは一般的な酒類に比べ、口当たりがまろやかで甘みがあることから、江戸時代では女性にも人気の高級酒だったそうです。
このように、みりんにはアルコールが含まれているので、そのアルコール分はしっかり飛ばしましょう。
また、一般的に知られている『タカラ本みりん』は、間違いなくみりんですが、大量生産を可能にしているため、リーズナブルな価格になっています。
みりんの代用になりえるもの
代用品で、本来の「みりん」に近い味わいを出したい場合は、原材料を見れば大体把握できる可能性があります。
また、調理した時に現れる「みりん」の特徴で考えても、良い組み合わせが思い浮かぶかもしれません。
みりんの主な特徴
- まろやかな甘み
- 料理の旨味やコクを引き出させる
- 肉や魚の消臭効果
- 料理にツヤや照りを出す
4項目のいずれかを満たすものであれば、みりんの代わりに使用することができる代用品です。
ここからは、みりんの代用に効果的な材料や組み合わせを紹介いたしますので、参考にしてみてください。
日本酒+はちみつ
みりんの最大の特徴である、「まろみ」のある甘さとコクを再現したい場合は、日本酒とはちみつの組み合わせが最適です。
はちみつは甘みが強いわりに、大さじ1杯あたりの熱量は67kcalと、一般的な砂糖類に比べ低いのが特徴となっています。
甘みは強いですが、角がある口当たりではなく、丸みのある味に仕上がるので、甘いものがあまり得意ではない人におすすめしたい組み合わせです。
日本酒+砂糖
砂糖は料理を行う家庭なら必ず常備されている調味料のため、日本酒と手軽に組み合わせて使用することができます。
はちみつと比べて、甘さが控えめで照りとコクがあまり感じられませんが、代用品としては十分な仕上がりになります。
日本酒が用意できない場合は、料理酒でも代用可能ですが、日本酒と違い塩分や酢が含まれているため、調理する時に塩辛くならないように各々調節しましょう。
コーラ
アルコール成分は一切入っていませんが、1つの素材だけで甘みとコクの両方を出すことができるコーラも、みりんの代用品候補に入れてもいいでしょう。
実際、代用する場合は煮汁や水1に対しコーラ1で甘ったるくならずに程よく仕上がります。
ほとんどの成分が、砂糖とカラメルで構成されているコーラは、煮詰めていくと照りが出てきます。
一番の特徴である炭酸も、肉を柔らかくする作用があるので、味の濃い仕上がりになる料理やスペアリブなど海外発祥のものなどに使用してみてはいかがでしょうか。
今回紹介する中で唯一単体の代用品で、他と比べて手軽に実践できるため是非試してみてください。
梅酒+水あめ
代用品として使用するアルコール類では日本酒が万能ですが、梅酒も代用品としておすすめですよ。
梅酒はアルコール度数が約8~15度で甘みが強いですが、みりんの強みである照りを出すことは難しいです。
そこに照りを出す役割を果たす水あめを配合することで、みりんを使ったような料理の仕上がりにすることができるのです。
もともと水あめは、みりん風調味料に配合されている材料で甘みもそこまで主張はしないので、甘みの強い梅酒を組み合わせても問題ありません。
ただ、水あめは一般的な家庭に常備されていない可能性が高いため、あまり手軽な代用方法とは言えません。
めんつゆ
めんつゆは代用品としてはいいと思います。
一般的なめんつゆであれば、醤油・出汁・砂糖が入っています。
商品によっては、みりんそのものが入っている事もあるので、みりん特有のコクやうま味とを出したい時は代用できます。
丼ものや肉じゃがには、最適な代用品でしょう。
めんつゆを使う際は、規定量の水で薄めて、砂糖や醤油でテリを付けて下さい。
「みりん」と「みりん風調味料」の違い
みりんとみりん風調味料は使われる原料と製造過程で大きな違いがあります。
一般的に認識されているみりんは「本みりん」と呼ばれ、主に米麹ともち米、醸造アルコールと糖類で構成されています。
これらの原料を約40日~60日かけ熟成させることで、強い甘みとコクが生まれるのです。
また、みりんはアルコール度数が約14%あり大まかにジャンル分けすると酒類調味料に該当することから、酒税法の影響で販売時に値段が上がるのです。
“十一 みりん 次に掲げる酒類でアルコール分が十五度未満のもの(エキス分が四十度以上であることその他の政令で定める要件を満たすものに限る。)をいう。
イ 米及び米こうじに焼酎又はアルコールを加えて、こしたもの
ロ 米、米こうじ及び焼酎又はアルコールにみりんその他政令で定める物品を加えて、こしたもの
ハ みりんに焼酎又はアルコールを加えたもの
ニ みりんにみりんかすを加えて、こしたもの
“※酒税法 第一章 総則 第三条から引用
一方、みりん風調味料はアルコールと塩分ともに1%未満程度に収まっています。
原料は、本みりんと同じように米麹が入っていますが、もち米ではなく米が使われていたりその他の材料も調味料が多く含まれているなどかなりの違いが見られます。
あの本みりんに似た風味と甘さは、水あめやブドウ糖などの糖類と香料をブレンドして再現しています。
熟成過程もなく量産も簡単なみりん風調味料は、結果的にあまりコストが掛からず市場で安く販売ができるのです。
みりんの代用なら『はちみつ』がいい?まとめ
みりんがなくても工夫次第で案外何とかなるものです。
みりんの味は簡単にまとめると甘みとアルコールなので、糖類+酒類であればそれに近い風味を出せます。
コーラはアルコールが入ってませんが代わりにカラメルが含まれていることで、みりんと同じような作用をしてくれるのです。
さらに、これらの代用品を活用することに慣れてくると、おかず以外にもみたらしソースなどお菓子作りに発展させることも可能です。
各代用品特徴が違う上に、場合によってはみりんより美味しくなる可能性を秘めているため、作りたい料理に合わせて代用品を使いこなせるようにしたいですね。