コロナ禍で、おうち時間が長くなったことに加え、
SNSでも簡単なお菓子やお料理レシピが紹介されています。
『これなら作れそう♪』
とキッチンに立つ機会が増えた方も多いのではないでしょうか?
私は普段からクッキーやスコーンなどは作るのですが、
以前から思うのが…「無塩バターって高くなったよね」ということ。
一緒に並べられているケーキ用マーガリンの2倍以上の金額。
「ケーキ用マーガリンってお菓子用ってこと?」
「そうだとしたら、使えるよね?』と、気持ちはすっかりケーキ用マーガリンに。
でもせっかく作るのに失敗したくないから、調べてみることに…
結果的にはケーキ用マーガリンでも代用できるのですが、問題も…。
今回は無塩バターの代用品について調べてみたのでご紹介します。
無塩バターの代用にマーガリンはOKか?
近所のスーパーで、値段が無塩バターの約半額だったケーキ用マーガリン。
『こっちでよくない???』と思って、その場でちょっと調べてみたところ、
ケーキ用マーガリンも“ケーキ”とあるだけに、バターの代用OK!
何が違うのか調べてみました。
すると風味や味わいなどに違いが出ることが判明。
原材料を見てみるとこんな感じでした。
- 【バター】 生乳
- 【ケーキ用マーガリン】 食用精製加工油脂・食用植物油脂・粉乳・乳化剤・香料・着色料
バターは生乳に対し、マーガリンは複数の材料からできていました。
原材料がこんなに違うんだから、そりゃ味わいや風味に違いが出るよね…と妙に納得(笑)
作るもので双方にどんな特徴があるのか調べました。
作るもの | バター | ケーキ用マーガリン |
---|---|---|
クッキー | 風味とコクUP | サクサク感UP |
パン | 風味とコクUP | フワっとしっとり |
無塩バターの代用を選ぶ時の注意点
さて、無塩バターの代用品として、ケーキ用マーガリンは代用OKということがわかりましたが、ちょっと気になったのが、パッケージに記載されている、
『トランス脂肪酸』の低減という文字。
気になったので調べてみたところ、
マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸とは、液状である植物性油脂に水素を添加し、固形化する際に発生する工業由来のものを指しています。
これにより何が問題なのかというと、トランス脂肪酸は血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあるため、摂りすぎると、動脈硬化や心疾患などの生活習慣病のリスクが高まるということです。
トランス脂肪酸の危険性については、農林水産省のホームページにも記載してあります。
また上記サイトにも記載がありますが、国際機関が生活習慣病の予防のために開催した専門家会合(食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合)は、2003年にトランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%に相当する量よりも少なくするよう勧告しています。
「え…それってどのくらい?」って思いますよね。
日本人の場合、約2gです。(日本人の1日にとるエネルギー量平均は約1,900 kcal。この1%相当)
例えば8枚切り(約50g)の食パンにマーガリンを塗ると、約0.095gのトランス脂肪酸を摂取したことになるとのことなので、1日に8枚切り食パン2枚にマーガリンをぬって食べるには問題なさそう!
ちなみに食パンにもトランス脂肪酸を含む、マーガリン・ファットスプレッド・ショートニングが含まれていますが、パンのヤマザキのホームページによると、食パン100gあたりに0.03g含まれているということなので、かなり微量である事が分かります。
過度に心配する必要はないと思いますが、少しトランス脂肪酸を意識して食材選びをした方がいいと私は思います。
無塩バターの代用におすすめは?
それでは安心して、無塩バターの代用ができる食材って何でしょう??
冒頭でマーガリンは代用としてどうか?という話をしましたが、出来ればトランス脂肪酸を含まない下記のものの方がいいかなと思います。
わたしのおすすめ食材をピックアップしました!
- 第1位:有塩バター(普通のバター)
- 第2位:ココナッツオイル
- 第3位:グリーンナッツ油
それでは一つずつ特徴や、おすすめのポイントをご紹介していきます。
第1位:有塩バター(普通のバター)
これは効果効能がどうのと言うより、「“バタークッキー”が食べたい!!」の様な場合です。
バター独特のコクや風味が欲しいな場合は、やっぱりバターにしか再現できないからです。
無塩バターよりお安く手に入るし、無塩バターよりはご自宅にある確率高いですよね?(笑)
注意点として、有塩のため、レシピによっては塩気を感じることも…。
また、小麦粉の粘りを強める効果がある塩分が多いので、食感を大切にするケーキやクッキーを作りたい人には不向きかもしれません。
そんな時は下記のポイントをおさえて調理してみて下さい。
- レシピに塩が入る場合は、塩を省いてしまってOK
- 無塩バターの分量が多いレシピの場合は、オリーブオイルと併用も◎
私は、バター風味重視の甘さ控えめクッキーを作りますが、有塩バターの塩分がむしろ活きて好きな感じです。
第2位:ココナッツオイル
(1日の摂取推奨量:大さじ2杯=30g)
作る量やレシピによっては、ココナッツオイルのみでも対応可能です。
もし分量が多いものを作る時は、オリーブオイルと併用して下さい。
特徴
- ココナッツの香り
- 脂肪酸構成割合の約60%中鎖脂肪酸(うち48%ラウリン酸)
- 不飽和脂肪酸が豊富・加熱OK
効果とそれをもたらす成分
- 脂肪燃焼効果(中鎖脂肪酸)
- 善玉コレステロール値を上昇させる作用(不飽和脂肪酸)
- アルツハイマー型認知症の予防・改善効果を示唆(中鎖脂肪酸)
- コレステロールの上昇を抑制し高血圧予防(中鎖脂肪酸)
- 便秘解消&代謝UP→ダイエット効果(ラウリン酸)
ココナッツのほのかな甘みと香りで、クッキーやパウンドケーキが美味しく仕上がります。
注意点として、ココナッツの香りが苦手な場合は食べづらいかもしれません。
栄養価が落ちてしまうものの、高温圧搾のRBDココナッツオイルであれば匂いが気にならないかも!?
第3位:グリーンナッツ油
(1日の摂取推奨量:小さじ1杯=5g)
特徴
- レタスのような香り
- 抗酸化作用の高い、天然のビタミンEが豊富
- 脂肪酸構成割合の約80%が必須脂肪酸
- 加熱OK(亜麻仁油やえごま油は加熱×)
不飽和脂肪酸(50%がα-リノレン酸₍オメガ3脂肪酸₎、30%がリノール酸)が多く含まれた油で、バターの代用としては量が使えないので、オリーブオイルなどと併せて使うと効果的です。
栄養価が高く、体にいい油ということで3位にしました。
- 美肌効果、アンチエイジング効果(ビタミンE)
- 脂肪燃焼を促進(α-リノレン酸)
- 血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす(α-リノレン酸)
- 動脈硬化の予防(α-リノレン酸)
- 炎症を抑え、血行促進により新陳代謝UP(α-リノレン酸)
- アレルギー反応の抑制(α-リノレン酸)
注意点として、1日の推奨摂取量が小さじ1杯なことです。
レシピによっては量が必要なこともあるかと思うので、必要に応じて、
- 効果が似ていて加熱OKなエキストラバージンオリーブオイルと併用
- 完成品を一時に完食しないで小分けにして食べる
など、工夫をしてみてくださいね。
無塩バターの代用まとめ
今回は無塩バターの代用をマーガリンでどうか?という内容でしたが、結果的には代用OKです。
しかし、トランス脂肪酸が気になるということで、別の代用品をご紹介しました。
注意点なども踏まえ、おさらいしてみます。
●無塩バターの代用を選ぶ時の注意点
- トランス脂肪酸低減又は不使用と記載のあるものを利用
- 完成品は一回に食べず小分けにして食べたりなど、摂取量を考える
- トランス脂肪酸の目安量は1日2g以下
●無塩バターのおすすめ代用品
- 有塩バター(普通のバター)
- ココナッツオイル
- グリーンナッツ油
せっかく作るなら、安心・安全で美味しいモノが作れると嬉しいですよね!