スキップフロアは一つの階層のなかに複数の高さのフロアが設けられている設計のこと。
スキップフロアは壁が少ないので広々として見え、まるで海外のおしゃれな家のよう。
いつか家を建てるなら、スキップフロアがいいと憧れている人も多いのでは?
でも、スキップフロアには良い意見がある反面、やめたほうがいいという意見もあるよう。
おしゃれに見えるスキップフロアなのに、どうしてそんな意見があるのでしょうか?
そこで、今回はスキップフロアのメリットとデメリットを調べてみました。
スキップフロアのデメリット
スキップフロアのデメリットを3つ紹介します。
1・空調の効きが悪い
部屋が大きければ大きいほど、空調の効きは悪くなるものです。
天井が高く、壁やドアが少ないのが特徴のスキップフロアは、大きな一部屋とも言える間取り。
このため、スキップフロアは空調の効きが悪いことがあります。
空調の効きが悪いと、空調を強めたり、長時間つけておくといったことが必要になります。
これは、光熱費が高くなるというデメリットとも言えるでしょう。
2・バリアフリーではない
段差が多いスキップフロアはバリアフリーとは言えません。
このため、スキップフロアの家は、年をとった時に住みにくさを感じることがあります。
スキップフロアの家を選ぶ際は、将来どのように暮らすのかを考える必要があります。
3・プライバシーの保護が難しい
壁や扉がないため、音や匂いが伝わりやすいのがスキップフロアの特徴。
電話の声や聴いている音楽、料理の匂いなどがすぐにわかるため、プライバシーの面では問題があります。
年頃のお子さんがいる場合は、嫌がることもあるでしょう。
ただし、スキップフロアの開放的な空間は家族のコミュニケーションがとりやすいというメリットにもつながります。
スキップフロアを取り入れる場合は、プライバシーとコミュニケーションのどちらを選ぶか考える必要がありそうです。
スキップフロアのメリット
続いて、スキップフロアの3つのメリットを紹介します。
1・開放的で風通しと日当たりが良好
遮る物がないので風通しがいいのも、スキップフロアの特徴のひとつです。
日差しを遮る物がないため、段差を上手に使い奥まで日差しが届くような設計にすることも可能です。
こうした区切りのない風通しと日当たりがよい空間は、スキップフロアの解放感をつくりだします。
2・空間を有効に使える
縦に空間が広がるスキップフロアは、空間を有効に使えます。
一階、二階という概念にとらわれない自由度の高いデザインが可能なため、縦の空間をうまく使った家が実現できるのです。
三階建ての家が建てられない土地でも、スキップフロアなら縦の空間を区切り、三階建てのような空間を作ることもできます。
スキップフロアの代表的な空間の有効活用は、段差を利用した収納です。
たとえば、子どもの遊び場のスキップフロアの階段下をおもちゃの収納スペースとすれば、フロアも広々と使えますよね。
できるだけ収納が多い家に住みたいという場合は、スキップフロアがおすすめです。
3・家族のコミュニケーションがとれる
壁がないスキップフロアは、キッチンで料理をしながらリビングの家族の様子が見られるというような間取りも実現可能。
小さなお子さんがいる場合は、リビングと続いている遊び用のフロアがあると、家族で遊びやすいですよね。
このように、家族との距離が近くなる間取りが実現できるのも、スキップフロアのメリットです。
スキップフロア向きの家とは?
スキップフロアに向いているのは、狭い土地、傾斜地といった建築方法に制限がある土地に建てる家です。
広い土地の家なら、スキップフロアを取り入れなくても開放的な間取りが可能。
このため、スキップフロアの魅力を最大限に使うには、建築方法に制限がある土地のほうがよいのです。
これは、縦の空間を有効に使うというスキップフロアの特徴に関係があります。
狭い土地であっても縦の空間を使うスキップフロアを取り入れることで、空間を何層かに分け、部屋数を増やすことも可能になります。
傾斜地の場合はスキップフロアのデザインに傾斜地の高低差を利用し、土地を有効に使うこともできます。
また、平屋の場合もスキップフロアがおすすめです。
平屋はシンプルな印象の間取りになりがち。でも、スキップフロアを取り入れることで、段差を利用した解放感ある間取りになります。
スキップフロアを採用した場合の価格差
特殊なデザインであること、段差などの面で材料費がかかるといったことからスキップフロアは一般的な住宅よりも費用がかかります。
複雑なスキップフロアやデザイン的にこだわりがあるといった場合は、さらに費用がかさむと考えたほうがよいでしょう。
一般的な住宅とスキップフロアの住宅の価格差については、デザインやメーカーによっても価格が大きく変わるので一概には言えません。
ですが、スキップフロアの住宅は一般的な住宅より20%から40%は費用がかさむとイメージしておくのがよいようです。
また、スキップフロアは、建築費以外にも一般の住宅より割高になる可能性があるものがあります。
それは、固定資産税です。
固定資産税は床面積の広さに応じて算出されます。
スキップフロアは段差を使い床面積を増やす建築方法でもあるので、平屋などに比べて床面積が広くなることがあります。
家にかかる費用を押さえたい場合は、この点も考える必要がありそうです。
ただし、天井高1.4m以下の場合は固定資産税の算出から除外され、固定資産税が安くなる可能性もあります。
スキップフロアを検討する場合は、デザインだけでなく建築費や固定資産税についても建築を依頼するメーカーと相談しながら進めるのがよいでしょう。
スキップフロアはやめたほうがいい3つの理由。まとめ
スキップフロアのメリット・デメリットを紹介してきました。
おしゃれで開放的、収納が多いなどメリットが多いスキップフロアですが、その反面、段差が多くバリアフリーでないなどのデメリットもあります。
また、スキップフロアは建築方法に制限がある土地での家づくりや平屋で取り入れると、魅力を最大限に活かせます。
スキップフロアに憧れている方は、費用や将来のライフスタイル、土地の形状など考えて、スキップフロアを家づくりに取り入れるかどうかを検討しましょう。