ちょっと目を離すとすぐに生えてくる雑草。いい加減にしてほしいですよね。
雑草は、植物の生長を阻害するので、こまめな除草が肝心です。 しかし、面倒でなかなか思うように除草ができない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、雑草対策について紹介していきます。 コツがわかれば、除草が少しは簡単になりますよ。
雑草を生やすデメリット
雑草が生えると、栄養分や水分が吸われてしまうので、周囲の野菜の生長が悪くなります。 また、野菜より雑草のほうが生長が早いので、野菜の光を遮り、さらに生長を阻害します。
さらに、雑草が生い茂っていると、病害虫が発生しやすくなります。
雑草を生やさない対策
雑草を発芽させなければ、雑草は広がりません。発芽させない方法は、以下の4つです。
種まき前の準備
種まき前の直前に雑草を抜いたり鎌で刈り取ったりすると、種が発芽してしばらくは雑草が生えてきません。
さらに、施肥後などに耕しておくと、万全です。
光を物理的に防ぐ
黒色マルチは光を通さないので、雑草の抑制効果が大きいです。 もし雑草が生えたとしても、光合成ができないので、大きくなれません。
黒マルチと同様に、敷きワラで畝を覆うことでも遮光されるので、雑草の発芽を抑えられます。敷きワラは天然素材なので、使用後に鋤き込めばゴミにならないのが魅力です。
雑草が生えてしまった時の対策
いつの間にか生えていて大きくなっている雑草ですが、小さいうちに取り除くのが重要です。 最低限、花が咲く前には抜き取りましょう。
雑草が大きくなってから抜き取ろうとすると、小さい時の何倍も労力が必要になります。
抜き取る、刈る、削る
雑草も小さいうちは根張りが弱いので、手で簡単に抜けます。大きくなる前に抜き取りましょう。
鍬や移植ごてを使えば、簡単に抜けますし、三角ホーを使いこなせば、立ったまま除草作業できます。
中耕を兼ねて土寄せ
ひとつひとつ雑草を抜くのが面倒な場合は、畝の周りを耕し、土寄せすることでも除草できます。
畝や畝間を削るように耕せば、雑草の根を切って枯らすことができます。追肥も同時に行えば一石二鳥です。
草刈りする
手で抜けるうちは、雑草もまだ子供です。しかし、しっかり根を張ってしまうと手ではなかなか抜けなくなります。
抜けなくなってしまった雑草は、地上部を刈り取って、光合成を止めましょう。
面積が広い場合は、1ヶ月に1~2回、草刈り機で草を刈れば種ができる前に除草できます。
雑草の利用方法
抜き取った雑草を燃やしてしまってはもったいない。雑草も有効利用してあげましょう。
雑草の処分方法には、以下のようなものがあります。
雑草の利用方法
- 草マルチにする
- 土に埋める
- 堆肥にする
- 食べる
草マルチにする
最も簡単な雑草の処分方法は、草マルチにすることです。種が付いていない雑草ならこの方法が使えます。
晴れた日に雑草を抜き取り、土の上に放置しておけば枯れます。ポリフィルムマルチを張っている場合は、マルチの上に載せておけば、すぐに枯れてくれます。
枯れた雑草は、草マルチとして敷きワラの代わりになります。土に日陰を作るので、雑草対策にも役立ちます。
ただし、地温が上がりにくくなるので、十分暖かくなってから利用しましょう。夏の地温上昇を防ぐのに効果的です。
土に埋める
種が付いた草は草マルチにすると、種がこぼれて雑草が広がってしまうので、畑の外に出すか、深く掘って埋めます。
堆肥にする
雑草も堆肥づくりの材料として活躍します。
食べる
雑草の中には、以下のように食べられる雑草が多くあります。
ゆでて、おひたしなどにして食べると良いでしょう。
ヨモギは草餅にしたり、入浴剤にしたりできます。
ドクダミは煎じてお茶にします。利尿作用、整腸作用が期待できますよ。
主な雑草の対処法
雑草の種類によって、株の増え方や根の張り方が違うので、性質にあった除草を行いましょう。
地上部を刈る
茎が切れても生き残るので、地上部ごと取り去る必要がある雑草は以下の3つです。
ツユクサは、やや湿った土を好み、群生します。
カタバミは、繁殖力が強く、小さい鱗茎を作って根を張ります。
スベリヒユは、多肉質の茎が地上部を張って伸びます。三杯酢で食べると、ぬめりがあっておいしい雑草です。
根こそぎ抜く
地下茎で増えるので、根ごと取り除く必要がある雑草は以下の3つです。
根こそぎ抜く雑草
- スギナ
- オオバコ
- ヒルガオ
スギナは乾燥した畑に生え、地下茎で増えます。根絶が難しいので、根気よく除去しましょう。
オオバコは種に粘着性があり、靴裏などに張り付いて繁殖します。太い地下茎で再生力が強いので、根ごと抜き取りましょう。
ヒルガオは蔓を巻きつけながら広がっていくので、厄介です。
見つけたら抜く
雑草は抜くのが基本。見つけたら抜く雑草は以下の4つです。
根こそぎ抜く雑草
- ハキダメギク
- コニシキソウ
- コノコログサ
- カヤツリグサ
ハキダメギクは、空き地や道端に生える雑草です。元々はアメリカで自生していましたが、日本でも自生しています。
コニシキソウは小さな葉が密集して広がります。茎をいると白い汁ができるのが特徴です。
エノコログサは夏から秋にかけて猫じゃらしのような穂を付けるので、穂が付く前には除去しましょう。
カヤツリグサは、草丈30~40cmほどになる大型の雑草で、花茎を裂くと蚊帳のように広がるのが特徴です。
除草剤の使い方
除草剤は、散布が簡単で一定期間効果が持続するので、省力化できます。 雑草が手に負えなくなったら、除草剤を使うのも手です。
除草剤で枯らした雑草は、念のため畑の外に出して、燃えるゴミとして処分しましょう。
除草剤の種類
除草剤には、使用時期によって2種類に分けられます。
除草剤の種類
- 土壌処理剤
- 茎葉処理剤
土壌処理剤
土壌処理剤は、作付けの前の畑に散布して、地表面に薄く均一な薬剤の層を作ります。
茎葉処理剤
茎葉処理剤は、生育中の雑草に使います。発生している雑草の種類や生育状況を確認してから使用できますが、栽培中の作物に影響がないか確認しましょう。
除草剤使用時のチェックポイント
除草剤を使うときは、以下のことに気を付けましょう。
除草剤のチェックポイント
- 対象とする作物に適しているか
- 使用時期は合っているか
- 使用量は適切か
対象とする作物に適しているか
除草剤を使う場合は、からなず栽培する作物に使えるかを確認しましょう。これを怠ると、作物も一緒に枯れてしまいます。
雑草の種類も確認してから使用しましょう。
使用時期は合っているか
除草剤は、雑草の生育状況に合わせて適切な薬剤を使う必要があります。雑草が大きすぎると効果がない場合があります。
使用量は適切か
説明書を参考に、面積にあった散布量を計算しましょう。使用量が多いと、作物に影響が出る場合があります。
除草剤は農薬なので、登録、使用法を確認してから使用しましょう。
まとめ
雑草は野菜の生長に影響を与えます。野菜をすくすく生長させるためには、雑草が増えない環境にすることが大切です。
雑草を生やさないようにするには、光を絶つことが重要です。土やマルチを使って遮光しましょう。
雑草が生えてしまったら、小さいうちに抜き取り、種をつけさせないのが増殖防止になります。
抜き取った雑草は、マルチや堆肥にして有効利用しましょう。食べられる雑草もあります。
個人的にはおすすめしませんが、最終手段として、除草剤も検討してみてはいかがですか。