プランターの土や、畑に追加する土を用意するとき、どのような土がが良いか知っていますか?
植物ごとに最適な土は違うので、植物ごとに土を使い分ける必要があります。 間違った土を使ってしまうと、枯れてしまうことがあるので注意が必要です。
たとえば、乾燥した環境が好きなサボテンに、水はけの悪い土を使ってしまっては、 根腐れを起こして枯れてしまいます。
そこで今回は、土の種類を簡単に説明します。 土の種類を理解すれば、自分で配合できるようになるので経済的です。
良い土の条件
野菜は根から肥料分や水分を吸収しています。そのため、根はとても重要な役割をしています。
良い土とは、根が大きく張り、肥料分や水分を効率よく吸収できる土です。
そのためには、下記のような土が理想です。
家庭菜園にとって良い土については、以下の記事をご覧ください。
一方、野菜作りに適していない土は、下記のような土です。
このような土になってしまった場合には、他の土を混ぜて改良する必要があります。
単粒構造の土
土の粒子が結合していないので、土と土の間に隙間がなく、水はけが悪くなります。雨で固まってしまうと、根を張ることもできなくなります。
砂質の土
湿った状態で握っても、団子にならず崩れてしまうほどサラサラしています。水が流れていってしまうので、保水性が悪く、肥料持ちもよくありません。
粘土質の土
湿った状態で握ると、団子みたいに固まってしまい、指で押しても崩れません。この状態では、排水性と通気性が悪くなってしまいます。
基本となる土の種類
プランターや鉢で野菜を育てる場合には、基本となる土を多く使います。畑の土の代わりになるものです。ここでは代表的な5種類を紹介します。
赤玉土(あかだまつち)
赤玉土は、赤い色をしていて、栄養分がほとんどない弱酸性の土です。関東ローム層の中層にある赤土を粒状に固めています。
大粒、中粒、小粒、微粒が販売されています。鉢底では大粒、普通に使うのが中粒か小粒です。
通気性、排水性、保水性、肥料持ちが良いので、野菜作りには最適です。盆栽では、赤玉土のみで栽培する場合もあります。
ただし、長時間使っていると崩れてきて、粒が細かくなってしまいます。そのため、定期的にふるいにかけて、取り除く必要があります。
黒土(くろつち)
黒土は、関東ローム層表層で見られる、火山灰と腐敗した植物が堆積してできた黒い土です。有機質が豊富で、保水性と肥料持ちが良いので食物の育成に適しています。
黒土は他の土と混ぜて初めて効果を発揮するので、単体で使用することはありません。黒土だけだと、栄養分を吸着してしまう特徴があります。
水はけと通気性が悪いので、プランターに単体では使用することはありませんが、畑の土の補充には便利です。
鹿沼土(かぬまつち)
鹿沼土は、黄色で栄養分がほとんどない土(軽石)です。栃木県鹿沼市付近で採取されているのが名前の由来です。
大粒、中粒、小粒、微粒が販売されています。通気性、排水性、保水性は良いのですが、肥料持ちが悪いのが特徴です。強い酸性なので、単体で使う植物は限られます。
ただし、長時間使っていると崩れてきて、粒が細かくなってしまいます。そのため、定期的にふるいにかけて、取り除く必要があります。
日向土(ひゅうがつち)
日向土は、薄い黄色をしていて栄養素がない軽石です。ボラ土とも呼ばれています。
大粒、中粒、小粒が販売されています。通気性、排水性、肥料持ちが良いのが特徴です。
長期間使っても崩れないので、再利用が可能です。
川砂
川砂は、川から採取した砂です。通気性、排水性が良いのが特徴です。
粘土質の土に混ぜて土質を改善するときに使います。
混ぜて使う土の種類
混ぜて使う土は、基本的に単体では使いません。畑や、基本となる土と混ぜて使用します。
土壌を改良する効果が高いので、土壌改良材と呼ばれることもあります。
堆肥(たいひ)、腐葉土(ふようど)
堆肥にはさまざまな種類がありますが、土壌改良として使われるのは、植物性の堆肥か、牛糞堆肥、馬糞堆肥です。 特に腐葉土がよく使われます。
肥料分はほとんど含んでいませんが、通気性、保水性、排水性、肥料持ちが良いので、野菜作りには最適です。 有機質のため、投入後の微生物によって分解されていきます。それによって、さまざまな効果が得られます。
ピートモス
水苔が堆積して腐敗してできた土です。無菌のため、温室栽培などでも使われています。
通気性と保水性と肥料持ちが良いのが特徴です。強い酸性なので、酸性を好むブルーベリーなどの土に混ぜて使います。
通常は、使用するときに苦土石灰などを混ぜて中性に近づけてあげる必要があります。面倒な場合は、「酸度調整済み」と書かれたものを購入しましょう。
バーミキュライト
蛭石を高温で焼いて、人工的に作った土です。高温で作るために、無菌になっています。
通気性、保水性、肥料持ち、排水性が良いのが特徴です。
パーライト
真珠岩や黒曜石などのガラス質の岩を高温で焼いて、人工的に発泡して作った土です。高温で作るために、無菌になっています。水よりも軽いのが特徴です。
排水性、通気性が良いのが特徴です。水はけを良くしたい時に使います。
もみ殻くん炭
もみ殻くん炭は、もみ殻を蒸し焼きにし炭状にしたものです。 多孔質の炭は、通気性、排水性、保水性を高めてくれます。また、微生物の住み家にもなるので、病気になりづらくなります。
初心者におすすめなのは培養土
初心者のうちは、どの用土をどのくらい混ぜれば良いのかわからないことも多いと思います。
そこでおすすめなのが、市販の培養土です。 培養土は、いくつもの用土を混ぜ合わせて、野菜の成長に良い土となっています。
そのため、培養土だけをそのままプランターに入れれば、すぐに野菜作りが開始できます。
ただし培養土選びには注意しなければいけないことが2点あります。
- 育てる植物に合った培養土を使う
- 酸度調整がされている培養土を使う
育てる植物にあった培養土を使う
培養土には、野菜用の他に、花用や果樹用もあります。それぞれに合った配合がされているので、初心者のうちは流用は避けましょう。
いちご専用など、品目ごとに調整されている培養土もあるので、そちらを活用するのもおすすめです。
酸度調整がされている培養土を使う
市販されている培養土の多くは、中性付近に調整されていますが、調整されていないものも販売されています。
もしpHが6.5以下の培養土を購入してしまった場合には、苦土石灰などの石灰資材で、酸度調整を行なってから利用しましょう。
酸度調整については以下の記事をご覧ください。
培養土を自作する場合
安い培養土には粗悪品も含まれています。また、大量に培養土が必要な場合は、自作した方が安上がりです。 自作すれば自分好みの配合にできるのでチャレンジしてみましょう。
赤玉土7:腐葉土3で混ぜ合わせます。この組み合わせが、最もポピュラーな黄金比率です。
この組み合わせをベースに、植物に応じて、鹿沼土を混ぜたり、堆肥、バーミキュライト、ピートモスを加えたりします。
最後に長期間効果が持続する肥料を混ぜて完成です。
自作した培養土を使うときの注意点は、配合してすぐに使わないことです。 配合直後と定期的に水やりをして、微生物を増やしましょう。 微生物を増やすことで、野菜が病気にかかりにくくなります。1,2ヶ月で完成します。
まとめ
今回は、土の種類について紹介してきました。
土の種類を知ると、自分で土壌改善ができるので安上りです。 しかし、最初からすべてを覚えるのは難しいですよね。
そのため、最初は培養土を使いましょう。 培養土は、それぞれの植物にあった配合がされているので、初心者でも安心して使用できます。
ただし、欠点として、1年しか使えないことです。 それ以上使い続ける場合は、土のリサイクルを行いましょう。