家庭菜園を始めたら、まず始めに畝(うね)を作りましょう。畝を作ることを(畝立て)といいます。
畝を立てることによって、見た目だけではなく、排水性や作業効率といったようにメリットがたくさんあります。
そこで今回は、畝立てのメリット、畝立てに必要な道具の紹介、畝の種類、畝の作り方について紹介していきます。
畝の必要性
畝を立てるとさまざまなメリットがあります。 その中でも大きな利点が下記の6つです。
それぞれについて解説していきます。
ふかふかのベッドを用意
踏み固められたカチカチの土では、野菜が育ちません。 畝を立ててふかふかのベッドを用意してあげることで、野菜がすくすくと育ちます。
水はけを良くする
畝を立てて周りより少し高くすることで、水が低いところに行くので水はけが良くなります。 最適な水はけは野菜によって違います。家庭菜園では、水はけによって野菜を変えることが難しいですが、 畝の高さを変えることで水はけの調整ができるので、いろいろな野菜を栽培できるようになります。
場所がはっきりする
畝を立てることによって、野菜を植える場所がはっきりしますので、 せっかく耕した場所を踏み固めなくて済みます。家庭菜園では場所の有効利用も重要です。
ピンポイントで耕せる
畑を耕すのは一苦労です。畑の全体を耕しても良いのですが、野菜を植えない場所や、人が通る場所は耕しても無駄です。 そこで野菜を植える場所だけを耕して、畝を立てることで、効率よく耕すことができます。家庭菜園では、労力の節約も重要です。
根菜類が育ちやすい
大根などの根菜類は、地中深くまで根を張るため、深く耕さなければいけません。 しかし深くまで土を耕すのは容易なことではなく、どうしても浅くなってしまいます。 しかし耕した部分に、畝を立てることで深さをカサ増しできます。 例えば、20cmの深さで耕した場所の上に30cmの畝を立てれば、50cmの深さになります。
作業性の向上
しゃがみながら長時間作業することは非常に大変です。 畝があることによって少し目線が高くなり、疲労感が和らぎます。
畝の種類
畝には、向き、高さ、幅、肥料の混ぜ方により、いろいろな種類があります。 ここではそれぞれについて紹介します。
南北畝と東西畝
畝の向きは特別な事情がない限り、南北に伸びる南北畝がおすすめです。 なぜかというと、その方が畑全体に陽が当たるからです。 もし、東西畝にすると、南側は良く陽が当たりますが、北側の野菜は、 南側の野菜の影になって陽が当たりづらくなります。
それなら南側に背が小さいものを植えて、北側に背が高いものを植えれば良いと思うかもしれません。 しかし、野菜には連作障害があり、毎年同じ場所に同じ野菜を植えることができないので、 大きな畑ではない家庭菜園では、いずれは南側に背が高い野菜を植えなければいけなくなります。
傾斜がある土地では水はけを良くするために、傾斜の高い方から低い方に畝を作る場合もあります。
家庭菜園のような限られたスペースでは、畑全体で畝の向きを統一した方が良いでしょう。 畝の向きを変えるのは大変なので、慎重に決める必要があります。
平畝と高畝
高さが5cmから10cmの畝を平畝、20から30cmの畝を高畝と呼びます。 水はけが良い畑や水が好きな野菜を植えるときは平畝にします。 一方、水はけが悪かったり、乾燥を好む野菜を植えるときは高畝にします。
畝幅
畝幅は育てる野菜によって違いますが、60cmから100cmくらいです。 畝幅が広い方が野菜を植えるスペースが広くなり、 家庭菜園のような限られたスペースには有利と思うかもしれません。 しかし、広すぎると中央まで手が届かなかったり、 畝幅に合わせたマルチやトンネル支柱を用意することができなかったりして不便です。
家庭菜園では最大でも1mくらいにとどめておきましょう。
全面施肥と溝施肥
肥料の混ぜ方には、全面施肥と溝施肥の2種類があります。
全面施肥とは畝の表面全体に肥料を撒く方法です。 はじめから肥料が効くので初期成長が良くなります。 根が浅く広く伸びる野菜や、収穫時期が短い野菜、 大根などの根を食べる野菜は全面施肥が向いています。
溝施肥は、畝の中心に深さ30cm、幅30cmくらいの溝を掘り、 そこに堆肥や肥料を入れて土で蓋をするやり方です。 全面施肥と比べて、肥料持ちが良く長く効きます。 長い期間栽培する野菜や、深く根が伸びる野菜には溝施肥が向いています。
畝立てに必要な道具
畝立てに必要な道具は下記の通りです。
畝の作り方
畝立ての手順は以下の通りです。
まとめ
今回は、畝立てについて紹介してきました。
畝立ては少し面倒に思うかもしれませんが、それだけのメリットがあります。 上手く育てられないという人は、ぜひ一度試してみてください。