他人が話した言葉で「それってどういう意味?」と思った事はないですか?
自分の話している言葉が、実は方言だったという経験も、少なからずあるでしょう。
日本には大きくわけて約16種類もの方言があります。
自分が日常で使っている言葉は、実は方言かもしれません。
今回の『買い弁』もまさにそれです。
私の住んでいた地域では、日常的に使っていたので、まさか通じないとは思ってもみませんでした。
この言葉は、人によっては『快便』ととられることもある言葉でした。
お恥ずかしい限りです。
今回は、最近テレビなどでも注目を浴びている「買い弁」という言葉について深掘します。
「買い弁」とは主に関東地方の方言であり、全国では通用しない言葉なのです。
そもそも買い弁とはどういう意味か?
お弁当持参ではなく、出先でお弁当や食べ物を買う事を「買い弁」といいます。
買ったお弁当、買ってきたお弁当の略称だと言われています。
実際、私もそういった意味で使っていたので、ほぼ間違いないと思います。
逆に違う意味で使われている方がいれば、教えていただけるとありがたいです。
字そのままの意味ではありますが、買ってきたお弁当・コンビニで買ったご飯、のように略さずに使っている人の方が全国では多いということになります。
「買い弁」の字の意味は通じやすいので、周囲で使えるようになれば便利ですよね。
ちなみに、パソコンで「かいべん」を打つと、「買い弁」には変換されませんでした。
変換で出てくる感じは『快便』『快弁』『開弁』の3つでした。
どこの地域で通じるのか?
「買い弁」がよく使われている地域は、主に埼玉県・東京都です。
練馬区・板橋区については確認済みです。友人も使っていたので。
埼玉県や東京都などの関東地方の言葉は、標準語と言われているので、方言が使われていることに本人もその他の地域の人も驚いたのではないでしょうか。
方言と聞けば、田舎で使われている言葉・訛っている言葉などのイメージが強いかもしれません。
昔は今と違い、携帯電話やパソコンなどのコミュニケーションツールが発達しておらず、他の地域への交通手段も少なく、閉鎖的な暮らしをしている人が多くいました。
いまだに各地方“陸の孤島”と言われるエリアがあるくらいですから、昔はもっと人との交流が少なかったようの思います。
近隣の人と会話する機会が多く、その地域独特の言葉遣い=方言が作られていきました。
しかし明治時代になると、方言は日本が統一国家を目指す中での意思に反するとされ、否定されました。
首都である東京の言葉が日本の標準語になり、標準語を話すようにと指示が出されました。
いま国がこんなことしたら、SNSでバッシングすごそう…
方言を話されなくなった時代は長く続きました。
その後、高度成長期も終末に差し掛かる時、自分の個性や地域それぞれの特徴を尊重する流れに時代は変わりました。そこで再び方言が話され始めたのです。
現在では、日常で方言を使っている人もいれば、自分の個性やアピールのために方言を使う人も増えています。
今の日本では、方言を持たない地域はないとされているくらい方言で溢れています。
「買い弁」が使われている関東地方でも、元々地域に根付いている方言を使う人も多くいます。
また、若者の中には、都会に住んでいることのステータスかのように、アクセサリーのように方言をあえて使う人もいます。
そういった部分では、以前よりも方言という括りが適切ではないのかなとも感じます。
オリジナリティと捉える方が自然に思います。
聞いた事のない言葉を使っていると、どこの方言なのか興味がわきますよね。
買い弁の正しい使い方例
では、実際「買い弁」はどのようにして使うのでしょう。
実際のありそうなシチュエーションを例としてあげてみます。
例 ①
「今日はお弁当じゃないの?」
「うん、時間がなくて作れなかったから『買い弁』にした。」
例 ②
「お母さん寝坊してお弁当作れなかったから『買い弁』してね。」
「了解」
『買い弁』は、お弁当やご飯をどこかで買うよと伝える言葉です。とても便利な言葉ですよね。
この言葉以外にも、使い方を考えると便利な方言は数多くあるのかもしれませんね!
買い弁はなぜ注目されたのか?
2019年秋に放送されたテレビ番組『踊る!さんま御殿‼』で放送されてから注目されたと思われます。
番組中に「買い弁」というワードが出て、全員に通じなかったのが、関東地方の人にとって驚きだったのです。
まさか全国で使われていなかったのは衝撃ですよね。
その後のツイッターなどのSNSでは「買い弁」という言葉が注目されました。
「買い弁」って方言だった!知らなかった!というコメントが多数あったようです。
私は実際に番組を見てはいませんが、一つの番組で何気なく話された言葉が、ここまで注目された事に驚きました。
それ程、衝撃度が高かったのですね。番組内では「買い弁って何?」と大いに盛り上がったのでしょう。
現在でも、日常的にTwitterには買い弁という言葉が並んでいます。
買い弁っていう?実は全国では通じない方言でした。まとめ
私もTwitterで見かけなければ、そもそも『買い弁』が話題になっているのも知りませんでした。
方言は私達が思っているよりもたくさんの種類があり、多くの人が日常的に使っています。
どんな言葉で話しても自由な時代、自分が自分らしく生きていける今の世の中では、方言を直したり隠したりする人は少なくなってきているように思います。
今回「買い弁」が話題になったのは、全国共通で使われていないことに衝撃を受けた関東地方の人が、思ったよりもたくさんいたからでしょう。
まさか自分が使っていた言葉が、方言だったということに多くの人が驚いたわけです。
関東地方の言葉だからといって、みんなが知っている標準語ではないのですね。
関東地方にはたくさんの方言があり、地方から出てきた人もたくさんいます。
一番多くの種類の方言が話されている地域が、もしかしたら関東地方なのかもしれませんね。
まだまだ日本に自分が知らない言葉があると思うと、とても興味深いですよね。
今回は「買い弁」でしたが、まだまだ実は方言だった言葉が、身近にあるのかもしれません。